研究課題/領域番号 |
21K06769
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48020:生理学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
安川 孝史 高知大学, 教育研究部医療学系基礎医学部門, 講師 (60291936)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | アルツハイマー病 / アミロイドβ / ユビキチンリガーゼ / NRBP1 / BRI2 / BRI3 |
研究開始時の研究の概要 |
アルツハイマー病(AD)は、2025年には700万人を突破するとされる認知症患者の6割を占める疾患で、根治療法は存在せず、その開発が喫緊の課題である。申請者らは最近、NRBP1-ユビキチンリガーゼ(NRBP1-E3)が抗AD因子として機能するBRI2/BRI3両因子を選択的に分解に導くことを発見した。神経系培養細胞で、同E3の機能阻害によりβアミロイドの産生が有意に抑制されたため、NRBP1-E3阻害剤はAD治療薬になり得るのではと着想した。本研究では、NRBP1-E3阻害剤の探索と最適化、ADモデルマウスを用いた有効性の検証を行い、新規AD治療薬創出に向けた開発候補化合物の取得を目指す。
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研究実績の概要 |
理化学研究所の創薬・医療技術基盤プログラムの支援のもと、天然物化合物・低分子化合物ライブラリー(約3万化合物)を用いてNRBP1-BRI2間の結合を阻害する化合物のスクリーニングを行った。 一次/二次評価は、分泌型ガウシアルシフェラーゼ(Gluc)をN末端側(Gn)とC末端側(Gc)とに分割して各々BRI2とNRBP1に連結した融合タンパク質を培養細胞に共発現させ、BRI2とNRBP1が結合した場合にGnとGcが近接して培養上清中のGlucの活性が回復し発光が検出されるが、化合物の添加により結合が阻害されると発光が見られなくなる二分子発光補完法を用いたハイスループットスクリーニングを行った。一次評価では、NRBP1-BRI2間の結合を阻害しかつ細胞毒性の低いものを選抜した。二次評価では、結合阻害の濃度依存性試験と偽陽性を排除するための全長Glucを用いたカウンター試験を行った。高次評価では、Aβの総産生量が上昇するAPP変異体を安定発現する神経系培養細胞を用いて内在性BRI2の増加、Aβ40/42の産生抑制、Aβ42の凝集抑制についての評価を実施した。2個のヒット化合物A、B(未発表のため仮称)が得られた。Aについては、理研 生命科学・創薬研究支援基盤事業(BINDS)の支援により、可能な官能基の置換を試みて類縁体24個を合成し評価を実施したが、Aより活性の高いものは得られなかった。A,Bともに天然物由来で構造が複雑で合成展開による類縁体の取得が困難なため、これら2化合物を基にしたリード化合物の探索は断念せざるを得なかった。 次いで、合成展開が可能なAMEDの中分子化合物ライブラリーA, B(15,000化合物)を用いてスクリーニングを実施し、二次評価で19個の化合物を得た。高次評価を行ったが明らかな内在性BRI2の増加、Aβ産生の抑制を示す化合物は認められなかった。
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