研究課題/領域番号 |
21K06795
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 北海道大学 (2023) 東北大学 (2021-2022) |
研究代表者 |
吉川 雄朗 北海道大学, 医学研究院, 教授 (70506633)
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研究分担者 |
有澤 美枝子 九州大学, 農学研究院, 教授 (50302162)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | ヘパラン硫酸 / ヘパラン硫酸分解酵素 / 骨格筋 / Heparanase |
研究開始時の研究の概要 |
我々の研究により骨格筋に存在するヘパラン硫酸が減少すると、筋分化が障害され、骨格筋量が減少し、運動機能が低下することが明らかとなった。従って、骨格筋でヘパラン硫酸を増加させれば、筋分化能が促進され、骨格筋量の増加と運動機能の改善が得られる可能性が考えられた。そこで本研究では骨格筋特異的にヘパラン硫酸を増加させたマウスの表現型解析を行い、ヘパラン硫酸増加による運動機能改善効果を検証する。またヘパラン硫酸代謝酵素の阻害剤探索研究を行い、ヘパラン硫酸を増加させる化合物を得る。これらの研究成果は、骨格筋量が減少するサルコペニアや様々な筋疾患における病態解明や創薬へとつながるものと期待している。
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研究実績の概要 |
ヘパラン硫酸の分解酵素であるheparan sulfate endoglycosidase(HPSE)の骨格筋における機能解明のために研究を継続している。骨格筋特異的にHPSE遺伝子を欠損させるためにHPSE floxマウスを作製し、これと骨格筋特異的にCre recombinaseを発現するドライバーマウスとを交配させてこれまで研究を実施してきた。昨年度はCre recombinaseのドライバーマウスとの交配を行ったものの、Cre recombinase依存的な遺伝子組換えが確認できなかった。本年度は研究代表者の勤務先変更に伴う遺伝子組換え生物の移管が必要となったため、HPSE floxマウスの凍結保存を行い、その後外部機関において個体復元を行った。残念ながら現時点で新たなHPSE floxマウスの個体を得ることが出来ておらず、現在実験に大きな支障をきたしている。今後再度個体復元を行いHPSE floxマウスを得たいと考えている。またCre recombinaseを発現するマウスについても個体復元を実施しており、これについてはドライバーマウスを得ることが出来たため、繁殖を継続している。また培養細胞におけるHPSEの役割についても検討を実施するため、HPSE遺伝子を欠損させるためにCRISPR-Cas9法を用いたプラスミドを新たに作製した。これら用いて骨格筋の細胞株であるC2C12細胞のHpse遺伝子を欠損させ、安定発現株を得るための準備を行っている。抗生剤を用いた選択を行った後、Hpse遺伝子を欠損させたクローンをピックアップし、細胞機能の変化についても今後検討を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究代表者の勤務先変更に伴い、マウスを用いた実験を長期間休止させざるを得なかった。遺伝子組換え動物を移動させるためにマウスの凍結保存と個体復元および必要な事務手続きを行ったため、当初予定された実験を実施することが出来なかったことが、成果を得られなかった要因である。またHPSE floxマウスの個体復元が上手くいかなかったことも要因の一つとしてあげられる。
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今後の研究の推進方策 |
HPSE floxマウスを得るための個体復元を再度外部機関に依頼する予定にしている。HPSE floxマウスの個体を無事に得ることができ次第、これらを用いて骨格筋特異的なHPSE欠損マウスの表現型解析に取り組んでいきたいと考えている。また骨格筋の細胞株であるC2C12細胞においてHPSEを欠損させた安定細胞株を得る。この細胞の機能解析から筋細胞におけるHPSEの役割について新たな知見を得たい。
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