研究課題/領域番号 |
21K06799
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
垣野 明美 信州大学, 学術研究院医学系, 助教 (00534637)
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研究分担者 |
沢村 達也 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (30243033)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肺高血圧 / ゲノム編集ラット / 肺高血圧症 |
研究開始時の研究の概要 |
肺動脈性肺高血圧(PAH)の病態では血管内皮機能不全に伴う血管壁の生理活性物質の病的不均衡と、それに引き続く肺動脈のリモデリングが重要である。本研究では、PAHの根本原因であるET-1の産生や内皮細胞機能不全、およびそれに伴う平滑筋の遊走・増殖などの変化の最上流で引き金となる病態生理を明らかにするため、モノクロタリン誘発ラットPAHモデルやゲノム編集技術により作出したノックアウトラットを用いて解析を行う。また、PAHの病態を促進する分子機序について培養肺動脈内皮および平滑筋細胞を用いて検討する。これにより、PAH発症・進展の最上流の分子メカニズムを明らかにし新たな治療法開発の可能性を開く。
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研究成果の概要 |
肺動脈性肺高血圧(PAH)の病態では、血管内皮機能不全に伴う血管壁の生理活性物質の病的不均衡と、それに引き続く肺動脈のリモデリングが重要である。本研究では、内皮機能不全誘導分子Xに着目し、その病態への関与を明らかにすることを目的とした。モノクロタリン誘発ラットPAHモデルおよびゲノム編集ラットを用い検討した結果、野生型PAHモデルの肺組織でXの発現が顕著に増加していること、X欠損ラットでは野生型に比べPAHの症状が改善されることを示した。すなわち内皮機能不全誘導分子XはPAHの病態進展を促進させることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PAHに対する3系統の薬剤(エンドセリン受容体拮抗薬、プロスタサイクリン製剤、フォスフォジエステラーゼtype 5阻害薬)により患者の予後は改善したが、重症例ではいまだ予後不良であり、既存の治療薬とは別の分子機序を標的とした新たな治療薬が必要とされている。本研究では、モノクロタリン誘発ラットPAHモデルで、内皮機能不全誘導分子Xが肺高血圧症の病態進展を促進させることを示した。今後ヒトにおいても同分子が病態進展に関与していることを臨床検体等を用い検討を進めていくことにより、新規治療法につながることが期待される。
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