研究課題/領域番号 |
21K06808
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
福冨 俊之 杏林大学, 医学部, 助教 (30439187)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 妊娠高血圧症候群 / プロテオミクス / ペプチドミクス / 診断マーカー / メタボロミクス / アミノ酸分析 / 血清 |
研究開始時の研究の概要 |
妊娠高血圧症候群 (HDP) は5~7%の妊婦に発症する高血圧を主体とした疾患である。その重症化は母体・胎児双方に重大な合併症の原因となる。HDPの病因・病態については多くの研究がなされてきたが、不明な点が多く、妊娠の中断以外には根治的な治療法がなく対症療法が中心である。そのため早期診断や発症予測による迅速な医療介入が発症及び病態悪化の抑制に重要である。しかし、現在、HDP発症を予知する極めて有効な方法は無い。従って、本研究では、HDPの早期診断につながる有用な発症予知マーカーの創出を目的とし、血清を対象としたペプチドの網羅的な解析であるペプチドミクスにより早期診断マーカーの探索を行う。
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研究実績の概要 |
妊娠高血圧症候群 (HDP) は、5~7%の妊婦に発症する高血圧を主体とした疾患である。その重症化は、母体・胎児双方に重大な合併症の原因となる。HDPの病因・病態については、今なお、不明な点が多く、妊娠の中断以外には根治的な治療法がなく対症療法が中心である。その為、迅速な医療介入が発症及び病態悪化の抑制に重要である。しかし、現在、HDP発症を予知する有効な方法は無い。従って、本研究では、HDPの早期診断につながる有用な発症予知マーカーの創出を目的とし、血漿を対象としたペプチドの網羅的な解析を実施する。 予備的検討及び前年度までに、HDP発症患者および非発症患者の少数血清試料を用いて血中ペプチドを対象としたペプチドミクス解析を行った。HDP血清で増減するいくつかのペプチド部分配列を同定し、有意な増加を示した血液凝固第V因子の部分配列1:VEVEQKと配列2:GLGCGKを同定した。しかし、第V因子の他の部分配列では有意な増加を示さなかった。 本年度は、試料採取および解析手法の最適化に注力した。試料採取においては、所属大学医学部付属病院臨床検査部の全面的な協力を得ることが可能となり、多くの検体採取を可能とするプラットフォームを構築した。それに伴い、HDP発症患者および非発症患者の血液試料を血清から血漿試料へと変更した。解析手法の最適化においては、1.血漿試料を用いた分析の最適化、2.定量分析に用いるアイソバリックタグおよびタグを用いない分析法の最適化を行い、従来の質量分析法の1つであるショットガン法(Data dependent acquisition)に加え、MRM技術を応用したDIA(Data independent acquisition)法を用いることにより多くのタンパク質を同定可能とした、3.血漿中の遊離アミノ酸分析およびメタボロミクス解析の条件検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、研究の進捗状況は、やや遅れている。本研究計画おいて、ペプチドミクス及びプロテオミクス解析は必要不可欠な研究手法であり研究の中心的な解析である。質量分析計は、そのペプチドミクス解析及びプロテオミクス解析の中核をなす分析装置である。 前年度に、質量分析計のイオン導入部の電圧コントロールを担う基盤に不具合が生じ、半導体不足の社会情勢の為、復旧までに非常に長期間を有した。その為、前年度に実施を予定していた質量分析計を用いた条件検討や手法の最適化を行うことができず本年度に実施することとなり、本年度の研究計画に影響を及ぼし遅延が生じた。加えて、所属大学医学部付属病院臨床検査部による血液採取の観点から、分析試料を血清から血漿へと変更した為、血漿試料に対する方法の条件検討や最適化などに時間を要した。 以上より、当初の研究計画より研究の進捗状況に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
概ね研究画調書に則って、今後も研究を遂行予定であるが、「研究実績の概要」に記載したように、当初の解析対象であった血中ペプチドのみならず、血中のアミノ酸および低分子化合物も研究の解析対象とする。加えて、所属大学医学部付属病院臨床検査部の全面的な協力を得ることが可能となり、多くの検体採取を可能とするプラットフォームを構築したことに伴い、分析対象試料を血清から血漿試料へと変更し研究を推進する。 また、「現在までの進捗状況」に記載したように、研究の進捗状況に遅れが生じている。その為、研究協力者を増員し協力を仰ぎ、迅速な研究遂行を目指す。
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