研究課題/領域番号 |
21K06811
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
田口 久美子 星薬科大学, 薬学部, 講師 (20600472)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 血管内皮機能不全 / GRK2 / 分子薬理学 / 血管内皮機能障害 / 糖尿病 / 糖尿病性血管内皮障害 |
研究開始時の研究の概要 |
生体内には、Gタンパク質共役型受容体(GPCR) が数多く存在し、その下流でGRK2とβ-arrestin2は拮抗することにより、GPCRのスイッチのオン・オフを担っている。GRK2が糖尿病時胸部大動脈の内皮細胞で増加蓄積し、病態悪化因子として働くことで血管の弛緩機能を抑制している。しかし、β-arrestin2については未だ病態生理機構の報告が少ない。申請者は、この点に着目し、本研究計画では、糖尿病時胸部大動脈にて増加蓄積したGRK2のもと、正常時と同様にβ-arrestin2を活性化させ、β-arrestin2にシグナル促進因子としての機能を果たさせる機序を探索する。
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研究成果の概要 |
糖尿病性血管内皮機能障害におけるβarrestinの不活性化と血管内皮細胞におけるNO産生の制御の関与を明らかにする目的で研究を実施した。2型糖尿病モデルマウスの胸部大動脈を用いて、Akt/eNOS経路の不活性化によるNO産生減少に伴う血管内皮機能障害に対して、β受容体遮断薬であるカルベジロールが改善させた。それは、カルベジロールがβarrestin2を活性化させることで、AMPK経路を活性化させ、Akt/eNOS経路の活性化を導いた可能性を示唆した。以上により、βarrestinの活性化が糖尿病性血管内皮機能障害是正に寄与する可能性を提示することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病に罹患すると、生命予後あるいはQOLに重大な影響を与える合併症を誘発することが知られ、特に心血管疾患は日本人の主な死亡原因を占めているのが現状である。血管内皮機能障害の発症進展は、それに伴っておこる心血管イベントの病態マーカーとも言えることが分かってきた。そのため、血管内皮機能障害発症機序を明らかにし、予防戦略を確立することは非常に社会的意義がある。本研究課題では、糖尿病性血管内皮機能障害時に作用しなくなるβアレスチン依存的シグナル伝達経路に着目し、内皮細胞におけるβアレスチンのみを活性化させる新たな治療薬をつくるための基盤となる結果を見出した。
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