研究課題/領域番号 |
21K06813
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48030:薬理学関連
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
高田 芙友子 福岡大学, 薬学部, 准教授 (70412575)
|
研究分担者 |
岩尾 卓朗 福岡大学, 薬学部, 助教 (30846374)
道具 伸也 福岡大学, 薬学部, 教授 (60399186)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | ペリサイト / 頭部外傷 / パーキンソン病 / alpha-synuclein / 加齢 / αシヌクレイン |
研究開始時の研究の概要 |
αシヌクレインの蓄積・凝集はパーキンソン病の特徴的病理所見であるが、αシヌクレイン増加・凝集から発症に至る機構の詳細は未だ不明である。本研究では、パーキンソン病発症の危険因子である頭部外傷および加齢に着眼し、「脳微小血管に存在し血液脳関門構成細胞である脳ペリサイトの健常型から病変型への変換が、αシヌクレインの脳内蓄積を惹き起こし、血液脳関門障害・グリア細胞活性化・神経障害へと導くことにより、孤発性パーキンソン病を発症・進展させる」と仮説し、未だ根治薬が存在しないパーキンソン病の病態解明に挑み、その治療法を探索する。
|
研究成果の概要 |
頭部外傷(TBI)はパーキンソン病(PD)発症のリスクを高めることが報告されている。PDは脳内のαシヌクレイン(αsyn)蓄積を特徴とする病態であるが、TBIが脳内のαsyn蓄積を誘導するメカニズムは不明である。TBIマウスを用いた本実験で、脳内αsynの発現が増加することが判った。また脳ペリサイトPDGFRβ発現減少は、ペリサイトのαsyn分解能を亢進させた。TBI時には脳ペリサイトのPDGFRβ発現が増加することから、脳ペリサイトのαsyn分解能が低下している可能性がある。以上の知見は、TBI後の脳ペリサイトの活性化が脳内αsyn蓄積に関与している可能性を提示するものである。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではこれまでに注目されていなかった頭部外傷とペリサイトの関係に着目し、パーキンソン病病態責任分子であるα-synucleinの脳内蓄積機構について研究した点に学術的意義がある。パーキンソン病は加齢に伴い発症率が高くなる難治性疾患である。人口の高齢化により患者数は増加することが予測されるため、予防・治療戦略の構築は急務である。新たな治療戦略を提案するための基盤となる知見を得た本研究には社会的意義があると考える。
|