研究課題/領域番号 |
21K06820
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
本家 孝一 高知大学, その他部局等, 副学長 (80190263)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | リン脂質分子種 / ドコサヘキサエン酸 / ホスホリパーゼA1 / 単クローン抗体 / α/βヒドラーゼ / α/βヒドロラーゼ / リン脂質リモデリング / 神経細胞膜領域 / 膜ドメイン |
研究開始時の研究の概要 |
神経細胞膜は、シナプス領域、傍シナプス領域、軸索領域など、機能の異なる複数の領域が存在するが、特定の機能性タンパク質が特定の領域に局在するメカニズムは不明である。シナプス領域に局在するリン脂質分子種OPPCは、リン脂質リモデリング酵素PLRP2によって生成され、ドーパミン輸送体 や シンタキシン 4 のシナプス領域への局在化に必須の役割を果たしている。本研究課題は、神経細胞膜の他の領域においても、別のリン脂質分子種が固有の膜ドメインを形成し、そこに特定の機能性タンパク質が集積する局在化メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
sn-1 位にドコサヘキサエン酸鎖をもつホスファチジルコリン(DHAPPC)を有機化学合成してマウスに免疫し、DHAPPCに対する単クローン抗体mAb10G9を得た。mAb10G9は、ニューロンの軸索軸部と近傍の細胞内小胞を認識することがわかった。DHAPPCを含む細胞内小胞を部分精製し、プロテオミクス解析により、DHAPPCの生合成に関与するホスホリパーゼA1のABHD-Xを見出した。このABHD-Xの阻害剤処理により、ニューロン軸索軸部に対するmAb10G9の反応性が消失した。ABHD-Xに対する抗体を用いた免疫染色で、ABHD-Xの局在とmAb10G9エピトープの局在が一致した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脳機能に重要と栄養学的に注目されるω多価不飽和脂肪酸のドコサヘキサエン酸を含むリン脂質分子種が、ニューロンの軸索軸部という特異的な領域に局在することを、リン脂質分子種に対する単クローン抗体を作製することで明らかにした。脳特異的なリン脂質に対する抗体の作製成功例は、研究代表者のチームが開発した1-オレイル2-パルミトイルホスファチジルコリンに対する単クローン抗体に続いて2例目である。研究代表者らは、オンサイトで生合成される特定のリン脂質分子種がつくる膜マイクロドメインが、機能性タンパク質の局所集積を制御するという仮説を提唱している。
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