研究課題/領域番号 |
21K06821
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022-2023) 大阪市立大学 (2021) |
研究代表者 |
金 明月 大阪公立大学, 大学院医学研究科, 研究員 (60740404)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 脳の発生 / 神経発生 / 神経幹細胞の分裂 / 神経細胞の分化 / グリア細胞の発生 / αーシヌクレイン / Tau / 神経細胞の遊走 / アルファシヌクレイン / タウ |
研究開始時の研究の概要 |
α-synuclein (αSyn)とtauは脳に高発現する微小管結合たんぱく質で、これらの遺伝子が変異した場合にはパーキンソン病や認知症などの神経変性疾患を発症させる。しかし、この二つのタンパク質の生理機能には未だに不明な点が多い。我々はαSynとtauの機能を解明するため、二つの遺伝子を同時に欠損させたダブルノックアウト(DKO)マウスを作成した。DKOマウスの解析から、αSynとtauの欠損が脳の発生に大きく影響を与えることが分かった。本研究では、in uteroとin vivo解析を組み合わせ、脳発生期の中枢神経系の構築と脳高次機能の維持におけるαSynとtauの生理機能の解明に挑む。
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研究成果の概要 |
αSynとtauが脳に異常蓄積すると神経変性疾患を発症させるが、その発症機構は未だに不明な点が多い。本研究では二つの遺伝子を同時に欠損させたαSyn-/-tau-/-マウスを作成し、中枢神経系の構築におけるαSynとtauの協同的相互作用を解析した。その結果、αSynとtauが胎生初期においてはNotchシグナルを介して神経幹細胞の分裂と分化を制御し、胎生後期においては神経機能発揮に支持的に働くグリア細胞の形成に関与することを発見した。本研究により、神経発生とグリア形成におけるαSynとtauの機能的なクロストークが解明され、PDやAD含む神経変性疾患の発症機構の解明に新しい知見を提供する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
αSynとtauが脳への異常蓄積は神経変性疾患の発症原因となるが、その生理的な機能は十分解明されていない。臨床では、PDは主に運動障害を示すのに対し、AD患者は主に認知機能の低下を示している。しかし、神経変性疾患患者の死後解剖では、αSynとtauが一緒に病変部に異常蓄積することが多数報告され、αSynとtau両者が認知機能と運動の制御に密接に関わっていることを示唆した。本研究は、これまで独立して研究されていたαSynとtauが機能的クロストークを持つことを初めて明らかにし、異なる神経変性疾患にまたがる共通病態、特にPDとAD間に存在する共通関連性を特定するのに重要な証拠を提示することになる。
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