研究課題/領域番号 |
21K06827
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
谷口 真 金沢医科大学, 総合医学研究所, 講師 (30529433)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | スフィンゴミエリン合成酵素 / 血小板 / スフィンゴミエリン / 血小板減少症 / ホスファチジルセリン / スクランブラーゼ / TMEM16F / カルシウム |
研究開始時の研究の概要 |
細胞膜構成脂質であるスフィンゴミエリン(SM)はリガンド-受容体応答の足場として、細胞増殖、遊走、炎症などのシグナル伝達を制御する。研究代表者は、SM合成酵素欠損マウスが血小板減少を呈することを見出した。細胞膜内葉のホスファチジルセリン(PS)が、スクランブラーゼにより外葉に露呈し、PS露呈亢進は貪食促進から血小板減少を引き起こす。しかし、血小板膜のスクランブラーゼとSMの関係性は分かっていない。本研究課題では、細胞膜SMがPS露呈を制御するスクランブラーゼの機能発現に関与するかを検討し、SMを標的としたPS露呈を介した血液凝固や血小板分解などの血小板機能制御法の確立に繋げる。
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研究実績の概要 |
細胞膜構成脂質であるスフィンゴミエリン(SM)はリガンド-受容体応答の足場として、細胞増殖、遊走、炎症などのシグナル伝達を制御する。細胞膜SMの合成はSM合成酵素(SMS)が担っており、SMSにはゴルジ体に局在するSMS1とゴルジ体と形質膜の両方に局在するSMS2があるが、その機能の違いについては明らかとなっていない。前年度、研究代表者はSMS1遺伝子欠損により細胞膜SM量低下からスクランブラーゼTMEM16Fが細胞膜内高分子化することでカルシウム流入が増加し、ホスファチジルセリン(PS)の外膜への露呈が亢進することを見出した。SMS1欠損マウスでは、血小板において細胞膜SM減少からこのPS露呈亢進によって、血小板クリアランスが増加し、血小板減少症を呈することを明らかにした。 本年度は、SMS1欠損マウスで見られる血小板減少症をSM補充によってコントロールすることで改善できないかどうかを検討した。まずは野生型マウスにおいて、SMリポソームを腹腔内投与することで、血清中のSM量を増加できることを確認し、SMリポソーム投与がSMS1欠損マウスの血小板減少症の原因である、細胞膜SM減少を抑制できる可能性を見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、SMリポソームの投与により血中SM量を増加させることが可能であることを見出した。しかし、血小板減少症を呈するSMS1欠損マウスの出生率が低く、十分な匹数のマウスを確保することができなかったため、SMS1欠損マウスへのSMリポソーム投与ができなかった。今後、SMS1欠損マウスを十分確保した上でSMリポソームの効果を検討していく。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題では、SMリポソームの補充で血中SM量を増加させることが可能であることを見出したが、十分な匹数のSMS1欠損マウスを確保できず、血小板減少症への抑制効果はみることができなかった。SMS1欠損マウスは出生率も低く、また生まれてすぐに死んでしまう個体も多く数を確保するのが難しい。そこで、タモキシフェン誘導型のSMS1コンディショナルノックアウトマウスを既に有しているため、このマウスを用いて後天的にSMS1欠損マウスを作製し、血小板減少が確認されたらSMリポソーム補充を行っていく予定である。
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