研究課題/領域番号 |
21K06830
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分48040:医化学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
日笠 弘基 産業医科大学, 医学部, 准教授 (40596839)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 炎症性シグナル / Wnt経路 / IRAK1 / 病態モデルマウス / 炎症病態モデルマウス / IL1-IRAK1-β-カテニン シグナル軸 / 体細胞変異体 / 慢性炎症 / 活性型ヒトIRAK1発現マウスの樹立 / シグナル因子の検索 / 炎症性サイトカインIL-1 / 新規シグナル軸 / βーカテニン / NFκB |
研究開始時の研究の概要 |
申請者はこれまでの先行実験により、IL-1を起点としIRAK1を経由する既知と新規の2つのシグナル軸がNFκBならびにβ-カテニン双方を同時に活性化することが、ヒト慢性炎症組織内で線維化やがん化を引き起こす鍵となるのではないかという仮説を立てるに至った。そこで、1)IL-1-IRAK1-β-カテニン新規シグナル軸の分子基盤の解明、ならびに2)ヒトIRAK1発現トランスジェニックマウスの作製と病態・表現型の解析に取り組む。これにより、慢性炎症で誘導される線維化とがん化に関与する鍵因子・シグナル軸の同定と生理的意義を解明し、慢性炎症から線維化・発がんに至る新規病態モデルマウスの樹立を目指す。
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研究成果の概要 |
慢性炎症は線維化・がん化の大きなリスクファクターであるが、その分子機序は不明であり、有用な慢性炎症関連病態モデルマウスは非常に少ない。我々はIL-1に応答して、下流のキナーゼIRAK1が従来のNFκB経路だけでなく、線維化やがん化に密接に関与するβ-カテニンを活性化し、それがPPPSPモチーフに依存したヒトに特有の現象であることを見出した。さらに、生体内でヒトIRAK1の機能を解析するために、ゲノム内のマウスIrak1をアミノ酸置換したマウス(ヒト化マウス)と、組織特異的ヒトIRAK1発現トランスジェニックマウスの2種のマウスの樹立に成功し、解析を開始した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
慢性炎症が線維化・がん化を惹起することが知られているが、それらの発症過程を反映する病態モデルマウスは少なく、その機序は不明な点が多い。ゆえに引き金となる鍵分子の同定とそれを利用したモデルマウスの樹立は急務である。さらに、近年の研究動向では、がん分野におけるIRAK1研究はますます注目されることが予想される。それゆえ、本研究を今後も進めることで、慢性炎症からの線維化・がん化のメカニズムの一端が解明できれば、先んじてがん生物学や医学の予防・治療戦略に大きく寄与するものになると期待される。
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