研究課題/領域番号 |
21K06852
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小西 昭充 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50381877)
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研究分担者 |
大日方 英 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (50332557)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 細胞老化 / 分岐鎖アミノ酸 / テロメア / アミノ酸代謝 / エネルギー代謝 / 活性酸素 / DNA損傷応答 / メタボローム / 酸化ストレス |
研究開始時の研究の概要 |
近年の研究から、加齢による身体機能低下の原因は、細胞レベルの老化(細胞老化)であることが明らかとなってきています。老化細胞では細胞内の代謝が大きく変化していますが、その生物学的意義の多くは未だ不明です。我々は最近、必須アミノ酸である分岐鎖アミノ酸(BCAA)の代謝変化が、細胞老化の原因であることを見出しました。老化細胞ではBCAA代謝酵素の発現が低下し、その結果、細胞老化が誘導されることを我々は明らかにしましたが、そのメカニズムは未だ不明です。そこで本研究では、BCAA代謝の変調による細胞老化メカニズムの解明に取り組むとともに、その知見を利用して細胞老化の制御技術の確立に取り組みます。
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研究実績の概要 |
細胞老化とは、テロメア短縮などの様々なストレスにより細胞の増殖が不可逆的に停止する現象である。老化細胞では細胞内代謝が大きく変化していることが知られているが、その生物学的意義の多くは不明である。これまでに我々は、ロイシン・イソロイシン・バリンの3種類の分岐鎖アミノ酸(BCAA)の代謝変化が細胞老化の成立に大きく関与していることを見出している。本研究では、BCAA代謝による細胞老化メカニズムの解明に取り組むとともに、その知見を利用した細胞老化の制御技術確立に取り組んでいる。 これまでに我々は、テロメア短縮やDNA損傷などの細胞老化を誘導する刺激によりBCAA代謝に関わる酵素の発現量が低下し、それを起点としてBCAAの分解が抑制されること、細胞老化誘導時にBCAA代謝酵素の発現が抑制される分子機構、さらに、BCAA代謝の変調が細胞の抗酸化活性の低下を介して細胞老化を誘導していることなどを見出し、BCAA代謝の変調による細胞老化誘導の分子機構の全容が明らかになってきた。令和5年度は、BCAA代謝酵素のノックアウトマウスの解析に取り組んだ。ノックアウトマウスは低体重、短命であった。BCAA代謝の盛んな骨格筋、脂肪組織は高度の萎縮を示し、解析の結果、これらの組織では老化細胞の蓄積が起こっていることが明らかとなり、BCAA代謝酵素が生体内においても細胞老化の抑制に寄与していることが示された。 これらの研究成果について、国内学会4件(うち招待講演2件)、和文雑誌1件の発表を行い、現在、国際科学誌へ論文を投稿し審査中である。
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