研究課題/領域番号 |
21K06854
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
清水 昭男 滋賀医科大学, 医学部, 助教 (30769279)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 糖尿病性腎臓病 / 2型糖尿病 / ペプチド / ジペプチジルペプチダーゼIII / DPPIII / 血管障害 / C3補体 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病で増加しDPPIIIによって分解されるペプチドが持つ作用機序とそのペプチドによる糖尿病性腎臓病の増悪メカニズムを明らかにすることを目的とする。その成果を元に、糖尿病性腎臓病に対する新規治療開発をトランスレーショナル研究として進展させる。
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研究成果の概要 |
ペプチドをN 末端側より2 アミノ酸ずつ加水分解する酵素ジペプチジルペプチダーゼIII(DPPIII)が糖尿病における役割を解析した。DPPIII投与は腎機能障害の指標である尿中アルブミン量を、血糖値に変動なく有意に抑制できた。DPPIII で分解される血中ペプチドを網羅的なペプチドーム解析で探索したところ、C3b補体に由来するペプチドを同定できた。このペプチドは糖尿病時におけるdb/db マウスにおいて増加し、DPPIIIによって分解されることを同定した。この候補ペプチドがアナフィラトキシン作用を有しており血管内皮細胞に対してRhoAを活性化し透過性を上昇させることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、DPPIIIが2型糖尿病モデルマウスであるdb/dbマウスにおいて、糖尿病性腎症の増悪は、DPP III投与によって、血糖値、血圧、心機能に変動なく有意に抑制されることを見出した。つまり、DPP IIIは血糖や血圧の調節とは独立して糸球体保護作用を発揮し、糖尿病性腎症を抑制する全く新しい効果を有していることが判明した。糖尿病の治療は発達しているものの、糖尿病性腎症は増加傾向にある。このことは、糖尿病性腎症の克服には単純に血糖値を正常化するだけでは不十分であり、新たな治療法の開発、創薬が必要であることを意味している。
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