研究課題/領域番号 |
21K06857
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
寺脇 正剛 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60437217)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経変性疾患 / 神経炎症 / ユビキチン / プロテイノパチー / 炎症応答 |
研究開始時の研究の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は運動神経細胞が特異的に冒されることにより呼吸不全から死に至る進行性の難病である。原因となる遺伝的素因は明らかになりつつあるが、詳細な発症メカニズムは不明であり、有効な治療法が確立されていない。遺伝的素因の1つとされるTDP-43遺伝子の異常は、神経細胞内におけるTDP-43タンパクの凝集を惹起し、これが神経細胞死につながっていると予測されている。本研究では発症要因の1つとされるTDP-43の直鎖ユビキチン鎖を介した凝集メカニズムを明らかにするとともに、ALSの動物モデルを用いて直鎖ユビキチン鎖を生成する酵素LUBACの阻害剤によるALSの治療効果を検討する。
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研究成果の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は運動ニューロンの細胞死により、筋萎縮と運動麻痺が惹き起こされ、呼吸不全などにより発症から数年で死に到る難病である。ALS原因遺伝子のひとつである変異型TDP-43は、細胞内で凝集体を形成することで、神経細胞死を誘導していると考えられている。本研究では、断片化したTDP-43が細胞質内において直鎖ユビキチン化されていること、直鎖ユビキチン化を担う酵素LUBACを欠損させた細胞では変異型TDP-43の凝集が劇的に抑制されること、我々が開発したLUBAC特異的阻害剤であるHOIPIN-8がTDP-43の凝集を抑制できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ALSではこれまでに複数の原因遺伝子が同定され、発症メカニズムも明らかにされつつあるが、根本的な治療法は未だ開発されていない。ALS患者の神経細胞内に形成され神経細胞死の原因とされているタンパク質凝集体成分のひとつとしてTDP-43が知られている。今回の研究により凝集体形成にはTDP-43の直鎖ユビキチン化が重要であることが明らかとなった。細胞内で直鎖状のユビキチンを付加する酵素はLUBACのみである。すなわち我々が開発したLUBAC阻害剤であるHOIPIN-8はTDP-43の凝集形成を阻害し、ALSの発症や進行を抑える薬剤となりうることが示された。
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