研究課題/領域番号 |
21K06861
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
松本 紋子 東邦大学, 理学部, 准教授 (60444519)
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研究分担者 |
榊原 隆次 東邦大学, 医学部, 教授 (00282476)
田中 知明 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (50447299)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | αシヌクレイン / パーキンソン病 / レビー小体型認知症 / シヌクレイノパチー / 神経変性疾患 / 翻訳後修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
「中枢神経の病変を末梢血で捉えることが可能か」という問いを明らかにすることを目的とし、神経変性疾患患者の末梢血を用いて、凝集体形成の核となる可能性が高いα-synucleinの翻訳後修飾を解明する。生検困難な脳や侵襲性の高い脳脊髄液ではなく末梢血を標的としており、バイオマーカーの開発に繋がることが期待される。生命倫理委員会の承認を受け、科学的正当性および倫理的妥当性に基づいた十分な理解と配慮をもって研究を遂行し、個人が特定できない状態で研究成果を開示する。
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研究実績の概要 |
パーキンソン病の特徴的病理構造物のレビー小体の主要構成タンパク質であるαシヌクレインは、神経細胞だけでなく赤血球にも高発現しているが、赤血球での機能は不明である。本研究は中枢神経の病変を末梢血で捉えることが可能かという学術的な問いを明らかにすることを目的に、神経変性疾患患者の末梢血を用いて、凝集体形成の核となるαシヌクレインの翻訳後修飾を解明する。 健常者赤血球αシヌクレインの翻訳後修飾について液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS/MS)を用いて解析したところ、アセチル化、リン酸化、ジグリシル化、糖化の翻訳後修飾が検出された。このうち、アセチル化、ジグリシル化、糖化はいずれもリジン残基における翻訳後修飾であり、LC-MS/MSで解析した多くのペプチドから翻訳後修飾を受けたリジン残基が検出されたことより、赤血球αシヌクレインは膜結合やオリゴマー形成に関与するリジン残基に翻訳後修飾を受けやすいことが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
健常者赤血球αシヌクレインの翻訳後修飾について液体クロマトグラフィー質量分析(LC-MS/MS)を用いて解析したところ、赤血球中αシヌクレインでは報告例のない翻訳後修飾も含め、アセチル化、リン酸化、ジグリシル化、糖化が検出され、赤血球αシヌクレインは膜結合やオリゴマー形成に関与するリジン残基に翻訳後修飾を受けやすいことが示唆された。この成果は学術誌に掲載されている。また、翻訳後修飾の中で最も多く存在している修飾型αシヌクレインの赤血球中タンパク質量を、神経変性疾患であるパーキンソン病、レビー小体型認知症、アルツハイマー病と健常者で定量ウエスタンブロッティングで解析して比較したところ、レビー小体型認知症で顕著に減少していることがわかった。この成果は学術誌掲載まで至っていないが、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
血漿中に放出される細胞外小胞に含まれるαシヌクレイン量や分子形態について、健常者ならびにパーキンソン病、レビー小体型認知症、アルツハイマー病患者の検体を用いて解析する。
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