研究課題/領域番号 |
21K06864
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
森下 啓明 愛知医科大学, 医学部, 講師 (20621634)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 小胞体ストレス / 甲状腺濾胞細胞 / 細胞生存 / CIDE-A / イメグリミン / Imeglimin / BiP / AMPK / 甲状腺 / 薬剤スクリーニング |
研究開始時の研究の概要 |
小胞体ストレス関連疾患において、細胞は小胞体ストレス適応期を経て死に至るが、その機序については不明点が多く、治療法も未確立である。我々はサイログロブリン遺伝子変異マウス及びラット甲状腺濾胞細胞株を用いた検討により、新規小胞体ストレス応答因子であるCIDE-Aの発現低下と、AMPKの活性化が慢性小胞体ストレス下における細胞生存に関与することをそれぞれ報告してきた。 本研究では、小胞体ストレス下においてCIDE-A遺伝子発現がAMPK活性制御を介して細胞生存/死に関与することを証明し、更に化合物スクリーニングによりCIDE-A抑制を介して小胞体ストレス関連細胞死を低減する薬剤の発見を目指している。
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研究成果の概要 |
今回の研究により、慢性小胞体ストレスへの適応に関与する新規小胞体ストレス応答因子CIDE-Aは、ラット甲状腺濾胞細胞株PCCL3細胞において、1)Forkhead box protein O1(Foxo1)により正に制御されること、2)過剰発現による細胞死が同じCIDEファミリー蛋白であるCIDE-C抑制によって増強されることが明らかとなった。また、ミトコンドリア機能改善作用を持つとされる糖尿病治療薬のImegliminがPCCL3細胞の小胞体ストレス関連死を抑制すること、その背景としてBiP発現が増加しCIDE-A発現増加率が低下していることが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
インスリン遺伝子異常による糖尿病や家族性中枢性尿崩症、遺伝性甲状腺機能低下症等の内分泌疾患や遺伝性神経変性疾患等を含む小胞体ストレス関連疾患は不可逆的であり、病態完成を抑制する治療法確立が求められている。今回の我々の研究成果は、これらの疾患の根本原因である細胞死に関与する新規小胞体ストレス応答因子であるCIDE-Aの制御機構解明に寄与するものである。また、今回明らかにしたイメグリミンによる甲状腺濾胞細胞の小胞体ストレス関連死抑制は、膵β細胞においても同様の報告がされており、広く内分泌細胞保護に応用できる可能性があることから、小胞体ストレス関連疾患の治療法開発に貢献するものと期待される。
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