研究課題/領域番号 |
21K06869
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
土本 大介 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (70363348)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 発達性およびてんかん性脳症35 / イノシン三リン酸 / 発達性およびてんかん性脳症 / 静止膜電位脱分極 / EIEE35 / ITPA / てんかん / 脱分極 / 膜電位 / イノシン |
研究開始時の研究の概要 |
イノシン三リン酸(ITP)は非正規プリンヌクレオチドである。ITP分解酵素(ITPA)欠損は重篤な乳幼児てんかん性脳症と拡張型心筋症を引き起こす。我々はITPA欠損マウスモデルの作成に成功し、心筋筋繊維構造の乱れや脳神経細胞の静止膜電位上昇を伴うてんかん発作などの重要な知見を明らかにした。本研究では、①「ITPA欠損症」の分子病態のさらなる解明を行い、②ITP産生経路の解明と並行してITP産生阻害作用を持つ化合物を探索して「ITPA欠損症」治療法を開発する。さらに、③日本人に多いITPA遺伝子の94C>A(P32T)マイナーアレルが脳神経系や心筋へ与える影響について解析する。
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研究実績の概要 |
令和5年度はイノシン三リン酸分解酵素 (ITPA) 欠損により発症する「発達性およびてんかん性脳症35」の治療法開発を目的として以下の研究を行い成果を得た。 まず培養細胞モデルとしてマウス神経芽腫細胞株Neuro2a由来ITPA欠損クローン(以下N2a Itpa KO)を用い、N2a Itpa KO特異的に強く増殖抑制がかかる培養条件(選択培地)を見出した。マウス遺伝子に対するshRNA発現レンチウイルスライブラリーをN2a Itpa KO細胞に感染させ、その後選択培地での処理を行い、shRNAにより増殖抑制がキャンセルされるクローンを増殖させた。複数クローンをプールしてゲノム中shRNAコード配列を次世代シークエンサーで確認し、コントロール細胞(選択培地処理前の感染細胞)の結果と比較することにより遺伝子Xに対するshRNAをコードする配列の増加を確認した。このことから遺伝子Xの抑制がITPA欠損細胞特異的増殖抑制をキャンセルしたと考えられた。N2a Itpa KO細胞のtotal RNA中には元株Neuro2a細胞と比べて高度にイノシン残基が蓄積していたが、これは細胞内に蓄積したイノシン三リン酸がRNA合成中に基質として取り込まれたものと考えられる。遺伝子Xの発現をshRNAにより抑制すると、このRNA中イノシン残基蓄積が顕著に減少し、遺伝子X発現量とイノシン蓄積量の正相関が確認された。このことから遺伝子Xの産物はITPA欠損細胞におけるイノシン三リン酸蓄積に必須の役割を持つと考えられた。この結果は遺伝子Xの産物が、発達性およびてんかん性脳症35治療の標的分子となり得ることを示している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題では、発達性およびてんかん性脳症35の分子病態解明と治療法開発を目的としている。令和5年度には、このうち治療標的の候補遺伝子Xを発見するという大きな成果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
研究代表者は世界で唯一の発達性およびてんかん性脳症35のマウスモデルを開発して保有している。このマウスモデルを用いて遺伝子X抑制による治療効果を確認する。 またN2a Itpa KO細胞と選択培地を使用したIn vitroモデルを用い、遺伝子X阻害剤をスクリーニングする。見出した阻害剤は組換え遺伝子X産物を用いて直接の阻害活性を確認した上で、上述のマウスモデルに投与して治療効果を確認する。
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