研究課題/領域番号 |
21K06880
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
吉岡 年明 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (80302264)
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研究分担者 |
南條 博 秋田大学, 医学部附属病院, 准教授 (70250892)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 臓器特異性転移 / 高転移性がん細胞 / 高転移性癌細胞 / 高転移癌細胞 / 分子標的療法 |
研究開始時の研究の概要 |
肝転移, 肺転移, リンパ行性転移, 播種性転移は, 各々異なった臓器の環境で生存し増殖可能な癌細胞が転移を形成すると考えられている. 本研究では, 各種高転移癌細胞を樹立し, 各々の臓器特異性転移を決定する因子について解明する. また, 解明した臓器特異性転移のメカニズムに関与する分子に対して, ヒト手術標本を用いた臨床病理的な検討を行い, その分子に対する新規の分子標的療法の検討を目的とする. 臓器特異性転移のメカニズムの一端が解明され, それに対する標的療法の可能性が明らかになれば, 癌患者の予後に最も影響を及ぼす遠隔転移の治療に寄与することが期待できる.
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研究実績の概要 |
臓器特異性転移を決定する因子についての解明を行うため, 以下の目的のもと検討する. 1) 高肝転移性がん細胞の親株のヒト大腸がん細胞を用いた, 高肺転移性がん細胞, 高リンパ行性転移がん細胞, 高腹膜播種性転移がん細胞の樹立. 2) 親株がん細胞と各々の高転移性がん細胞を比較検討して臓器特異性転移を決定する因子についての解明. 3) 解明した臓器特異性転移のメカニズムに関与する分子について, ヒト手術標本を用いた臨床病理的な検討および新規の分子標的療法の可能性の検討. 令和4年度の実績としては, 目的1)の高肺転移がん細胞の樹立のため, 親株がん細胞をSCIDマウスの尾静脈から注入して肺転移巣を作製する実験を行った. 22匹のマウスに肺転移は形成されず, 目的の細胞の作製には至っていない. 今後, さらに尾静脈注入を行い肺転移形成の有無を判断するが, 形成しない場合は, 別の大腸がん細胞を用いて検討を進める. 高腹膜播種性転移がん細胞の樹立のため, SCIDマウスの腹腔内に上述の親株細胞を注入して腹腔内腫瘍巣を形成させ, これらを培養系に戻して増殖させた後, 腹腔内注入を行う操作を3回行った. 腫瘍形成率は100%で, 播種性転移の回数を重ねるごとに転移結節は小さくなり, 腹腔内に多数の結節を形成するようになった. もう1回, 合計4回の腹腔内注入を繰り返して高腹膜播種性転移がん細胞を樹立する予定である. また, 高リンパ行性転移がん細胞の作製には至っていない. 目的2)については, 8月頃までに高腹膜播種性転移がん細胞が樹立できるので, 親株がん細胞, および同じ親株細胞から作製した高肝転移性がん細胞の3種類に対してDNAマイクロアレイを行い, それぞれの転移に関係する遺伝子を検討する. 目的3)については, まだ高転移性がん細胞の樹立には至っていないため検討していない.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
目的1)の高肺転移がん細胞の樹立のため, 親株がん細胞をSCIDマウスの尾静脈から注入して肺転移巣を作製する実験を行ったが, 22匹のマウスを用いたが肺転移を全く形成せず, 目的の細胞の作製には至っていない. 高腹膜播種性転移がん細胞の樹立のため, SCIDマウスの腹腔内に上述の親株がん細胞を注入して腹腔内腫瘍巣を形成させ, これらを培養系に戻して増殖させた後, 腹腔内注入を行う操作を3回行った. 腫瘍形成率は100%で, 腹膜播種性転移の回数を重ねるごとに転移結節は小さくなり, 腹腔内に多数の結節を形成するようになるなど, 一般的な腹膜播種性転移の性質を示すようになってきている. また, 高リンパ行性転移がん細胞の作製には至っていない. 研究の目的1)の高転移性がん細胞は, 高肝転移性がん細胞は樹立しており, もう少しで高腹膜播種性転移がん細胞の樹立が見込まれるため, これらの細胞に対する目的2)の実施と, それに続く目的3)の実施は可能であるが, それ以外の高転移性がん細胞の樹立は達成されていないため, 進捗状況はやや遅れていると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
高肺転移がん細胞の樹立のため, 今後, さらに親株がん細胞のSCIDマウスの尾静脈注入を追加して, 肺転移形成の有無を判断するが, 形成しない場合は, 肺転移を形成する別の大腸がん細胞を用いて検討を進める. 高腹膜播種性転移がん細胞は, もう1回, 合計4回の腹腔内注入を繰り返して樹立する予定である. また, 高リンパ行性転移がん細胞の作製には未だ至っていないため, 作製に向けて実施する予定である. 目的2)については, 8月頃までに高腹膜播種性転移がん細胞が樹立できるので, 親株がん細胞, および同じ親株がん細胞から作製した高肝転移性がん細胞の3種類に対してDNAマイクロアレイを行い, それぞれの転移に関係する遺伝子を検討する. それにより, 引き続き目的3)の実施が可能になると考える.
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