研究課題/領域番号 |
21K06884
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
矢崎 正英 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (70372513)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アミロイドーシス / AHアミロイドーシス / 免疫グロブリン重鎖 / 重鎖フラグメント / 血清診断マーカー / フラグメント / 重鎖可変領域 / 診断抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では患者におけるアミロイド蛋白やM蛋白のアミノ酸配列を詳細に解析し、①AHアミロイド蛋白を認識する診断用抗体の開発に挑戦する ②その抗体を用いた免疫ブロット法で、患者血清中にアミロイド原性の遊離重鎖フラグメントを同定し、血清診断マーカーを開発する ③患者における重鎖の断片化機構を検討し、アミロイド線維形成機序を解明する。本研究により本症の診断が簡便に行えるようになり、また重鎖断片化機序の解析から、将来的に疾患特異的治療法の開発につなげたいと考えている。
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研究実績の概要 |
本研究では患者におけるアミロイド蛋白やM蛋白のアミノ酸配列を詳細に解析し、①AHアミロイド蛋白を認識する診断用抗体の開発に挑戦する ②その抗体を用いた免疫ブロット法で、患者血清中にアミロイド原性の遊離重鎖フラグメントを同定し、血清診断マーカーを開発する ③患者における重鎖の断片化機構を検討し、アミロイド線維形成機序を解明する。本研究により本症の診断が簡便に行えるようになり、また重鎖断片化機序の解析から、将来的に疾患特異的治療法の開発につなげたいと考えている。令和3年度は、①について自験例3名のアミロイド蛋白の解析から、過去の免疫グロブリン重鎖配列のdata baseとも比較して、3種類のウサギ抗重鎖可変領域ポリクローナル抗体を作成し、患者と非患者群で免疫組織化学検索を行い、診断抗体としての有効性について検証した。②に関しては令和4-5年にかけて開発抗体を用いて、AHアミロイドーシス患者10名と非AHアミロイドーシス患者48名の血清検体について免疫ブロット解析を行った。AHアミロイドーシス患者では、10名中8名に、約11-15kDの重鎖フラグメントバンドが検出された。非AHアミロイドーシス患者での血清では、一部の患者で淡く陽性バンドが検出された。これらのバンドが非特異的反応か特異的反応か現在、二次元電気泳動法にて解析中である。③に関しては、これまでAHアミロイド蛋白のC末端側が確定できていなかったが、アミロイド蛋白を二次元電気泳動で展開し、そのスポットからLC-MS/MSで全配列を決定できるよう解析を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和3年度に感度・特異度として90%以上の抗体を確立でき、令和4-5年度にはこの抗体を用いて免疫ブロット解析を行い、複数のAHアミロイドーシス患者群と非AHアミロイドーシス患者群の血清中の免疫グロブリン重鎖フラグメントの存在を比較検討することができた。アミロイド断片化機構の解明に、アミロイド蛋白の二次元電気泳動による解析を行っており、研究計画を1年間延長した。
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今後の研究の推進方策 |
免疫ブロット解析を多数の患者・非患者群で施行し、血清中の重鎖可変領域断片の有無を確認し、断片の血清中の存在濃度を定量化できる系を確立する。非患者群で、淡い非特異的バンドが検出されやすく、現在、二次元電気泳動で患者群とのパターンの差異を検討中である。断片化の機序解明としては、アミロイド蛋白の全配列の決定と、血清M蛋白との比較で、C末端側の断片化部位の決定を検討し断片化機序を明らかにする。
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