研究課題/領域番号 |
21K06886
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
近藤 智子 (古屋智子) 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30379979)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | インターフェロンγ / 細胞周期 / 細胞培養 / イメージサイトメトリー / 細胞増殖 |
研究開始時の研究の概要 |
インターフェロンγ(IFN-γ)が腫瘍細胞の細胞増殖に与える影響について、多種類の細胞について細胞増殖や細胞死、シグナル伝達経路に関連する遺伝子を中心にイメージサイトメトリーおよび独自に開発したセルアレイを用いて、遺伝子発現量(タンパク量)とともにその細胞内局在を網羅的に解析し、IFN-γの抗腫瘍効果の作用機序の解明と、抗腫瘍効果が期待できる腫瘍(IFN-γ感受性腫瘍)を識別可能とするマーカーの決定を目指す。
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研究実績の概要 |
我々は先行研究においてインターフェロンγが腫瘍細胞に対して細胞増殖抑制効果を示すことを明らかにしてきたが、本研究では様々な癌由来の培養細胞を用いてそのメカニズムの解明およびインターフェロンγにより細胞増殖が抑制される細胞を見分けるマーカーの選定を目指している。 2023年度は先行研究で検討したものも含め、現在までに検討した細胞株のデータ解析を主に行った。先行研究も含めて検討してきた細胞株のうち、インターフェロンγによる細胞増殖抑制効果を示した(感受性を示す)細胞株は5種類(乳癌由来培養細胞株 4種類、肺癌由来培養細胞株 1種類)であったが、細胞周期解析や細胞周期およびJAK/STAT系シグナル伝達に関与する遺伝子の発現解析ではいずれも感受性細胞間で共通した変化を見出せなかった。さらにインターフェロンγレセプターの発現については、イメージサイトメーターでの評価基準がまだ確定できていないため、公開されているデータベースから使用した細胞株についてのIFNGR1およびIFNGR2の遺伝子発現レベルを調べた。一部データのない細胞株もあったが感受性のある細胞株間でも発現レベルに差があり、また感受性のない細胞でも感受性細胞と変わらない発現レベルのものもあった。まだ我々自身が実験によるインターフェロンγレセプターのたんぱく発現解析の途中ではあるが、このデータからはインターフェロンγ受容体がインターフェロンγに感受性のある細胞を見分けるマーカーにはなりえない可能性もあることが考えられ、マーカー選定も再考する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インターフェロンγによる細胞増殖抑制効果がみられる細胞株を5種類ほど確認できたが、インターフェロンγ投与による各種遺伝子発現の変化に細胞間で一貫性が見いだせず、メカニズム解析に至る研究方針、実験方法を見直す必要が出てきたため。
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今後の研究の推進方策 |
インターフェロンγによる細胞増殖抑制効果がみられた5種の細胞株について、インターフェロンγ投与による遺伝子発現の変化が本当に細胞ごとに異なるのかを、再度実験を行い検証すると同時に未解析の遺伝子での発現解析も行い、メカニズムを予想するところまではこぎつけたい。またインターフェロンγ受容体のたんぱくレベルでの解析系を早急に確立し、データベースでの遺伝子発現データとの比較を行い、インターフェロンγ受容体がマーカーになりうるかどうかの結論を得たい。
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