研究課題/領域番号 |
21K06890
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
村田 雅樹 札幌医科大学, 医学部, 非常勤講師 (10404592)
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研究分担者 |
高澤 啓 旭川医科大学, 医学部, 教授 (00593021)
廣橋 良彦 札幌医科大学, 医学部, 准教授 (30516901)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | PVR / 頭頸部がん / 扁平上皮癌 / 発現欠損株 / 癌悪性化 / マルチオミクス解析 / がん悪性化 / CD155 / 細胞接着 / がん免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、がん免疫療法の確立と新たな治療標的探索により、免疫チェックポイントTIGIT-PVRが有望な治療標的となっている。一方、上皮細胞において、PVRは細胞間接着分子Nectinファミリーとして同定され、がん細胞で高発現し、細胞増殖、浸潤などに関与している。このように、PVRは、免疫系細胞の免疫チェックポイント、上皮細胞の細胞接着という、2つの機能を有するユニークなタンパク質である。しかし、2つの機能は独立して解析されてきていた。そこで本研究では、PVRの有する細胞接着機能とがん免疫チェックポイント機能の関連、クロストークの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
Poliovirus receptor (PVR)は、上皮細胞では細胞接着分子として、免疫細胞では免疫チェックポイント分子として機能するタンパク質である。本研究では、頭頚部がんの切除材料でPVRの免疫組織化学を、頭頚部がんの細胞株を用いてPVR欠損株を樹立し、それを用いてPVR発現回復株を作製した。これらの解析で、PVR高発現群は予後不良であり、PVR依存性に細胞株の悪性化能が変化することが明らかになった。細胞株を用いたマルチオミクス解析により、PVRがc-Mycの発現を調節している可能性を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PVRは、①上皮細胞の細胞接着、②TIGITと免疫チェックポイントを形成する、という2つの機能を有する分子である。本研究では、がん細胞で異常発現し、2つの細胞機能を併せ持つユニークな分子PVRの、細胞接着とがん免疫チェックポイントの関連、クロストークの解明を目指して検討を行った。マルチオミクス解析により、癌悪性化、がん免疫逃避のいずれにも寄与するc-MycがPVRにより調節されている可能性を初めて見出した。この成果は、がん細胞でがん免疫逃避に寄与するPD-L1とは異なる機序をPVRが有することを示している。PVRを標的とした治療は、がん免疫逃避に加え悪性化能を抑制する可能性が示された。
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