研究課題/領域番号 |
21K06894
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
一戸 昌明 北里大学, 医学部, 准教授 (80365163)
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研究分担者 |
村雲 芳樹 北里大学, 医学部, 教授 (40324438)
櫻井 靖高 北里大学, 医学部, 助教 (50733101)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 胃癌 / REV7 / 治療効果 |
研究開始時の研究の概要 |
近年化学療法の進歩と共に高度進行胃癌に対し術前化学療法を施行する症例が増加しているが、治療効果は様々で全ての症例で十分な有効性が得られるわけではなく、その要因の詳細は不明である。化学療法の有効性に影響する因子に癌細胞におけるDNA損傷耐性機構の亢進があり、DNA損傷耐性機構に関与するREV7が、癌細胞のシスプラチン感受性低下に関係していることが明らかになっている。今回「胃癌の術前化学療法の有効性にREV7の発現が関係している」という作業仮説をたて、この仮説を実証する研究を行い、胃癌におけるREV7発現の臨床病理学的意義と術前化学療法の有効性への関与を明らかにすることを目的に研究を行う。
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研究実績の概要 |
前年度に引き続き胃癌の手術検体におけるホルマリン固定・パラフィン切片を用いて、免疫組織化学染色を施行し、胃癌におけるREV7の発現の評価を行った。REV7の発現は腫瘍細胞の核への染色強度別に3段階で分類score化(0-3)した。前年度までの症例と合わせて胃癌167症例(男性117例・女性50例)を対象に評価し、それぞれの発現と予後等の臨床病理学的因子との関連を検討した。結果として未分化型癌が、分化型癌に比してREV7scoreが高い傾向を示した。リンパ管侵襲が陽性例は陰性例に比してREV7 soreが高い傾向を示した。さらにREV7score低値群と高値群に分類し予後解析をREV7score高値群は低値群に比して予後が不良であった。また腫瘍細胞増殖能とREV7発現の相関を評価する為に細胞増殖能のマーカーであるKi-67も同様に免疫組織化学染色を施行し、腫瘍細胞1000個当たりの陽性率をlabeling index(LI)として算出し、REV7の発現との関係を検討した。REV7score高値群は低値群の間に、有意なKi-67LIの差異は認めなかった。また現時点で有意な相関も確認できなかった。術前化学療法が施行された胃癌における術前生検組織を用いて、REV7の発現を評価し、術後の治療効果との関連を検討している。現在結果を解析中である。また培養細胞を用いた検討では、胃癌細胞株におけるREV7の発現の確認とREV7ノックアウト細胞の作製を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
胃癌の対象例数を増やしたため、術前化学療法進行胃癌の化学療法前の生検組織の免疫染色が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今後は術前化学療法を施行した胃生検組織におけるREV7の発現と予後や治療効果などの臨床病理学的因子との関連を比較することで、胃癌におけるREV7の発現意義と治療効果との関連を明らかにする。培養細胞を用いた研究を行いさらに胃癌におけるREV7の発現意義を検討する。
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