研究課題
基盤研究(C)
東京女子医科大学病院で切除された腎細胞癌症例組織標本を見直し、①転座型、②透析関連、③酵素欠損型腎細胞癌症例を抽出する。必要に応じて分子生物学的検討を行って診断を確定、臨床病理学的性質を明らかにする。透析関連腎細胞癌に対しては背景の前駆、早期病変の形態、免疫組織化学的性格付けを併せて行う。さらに前向きに新鮮凍結試料の蓄積や、培養細胞株の樹立を試み、さらなる研究に備える。インフォームドコンセントをベースとして網羅的ゲノム解析を行い、診断のためのバイオマーカー、治療標的の探索を行う。
腎癌の分類は分子生物学的知見をもとに大きく変わり、2022年に最新のWHO分類が導入され、多くの新規組織型が加わった。本邦の腎癌取扱い規約(2020年)は2016年WHO分類に準拠しており、学術発表に当たってのギャップが生じているのが現状である。本研究では新規組織型(特に、転座型、透析関連および酵素遺伝子欠損を伴う腎癌)の臨床病理学的特徴と分子生物学的性格の解明を目指す。2023年度は以下の成果を挙げた。①転座型腎細胞癌については腎癌研究会共同研究「転座型腎細胞癌の臨床病理学的研究」に参画し、中央病理診断医として症例の蓄積、解析に努めた。コンサルテーション症例を多く経験し、依頼者を支援して症例報告を行った。この中でTFE3再構成型のみならずTFEB変異型症例の蓄積を行うことができた。②透析関連腎癌については当施設の症例を用いた多数例解析を行い論文発表した(Ishihara, Nagashima et al., 2023)。③フマル酸ヒドラターゼfumarate hydratase (FH)やコハク酸脱水素酵素succinate dehydrogenase (SDH)欠損性腎細胞癌についても多くのコンサルテーションを受け、依頼者を支援して症例報告を行った。特にFH欠損性腎細胞癌では、生殖細胞系列の異常を発見した症例もあり、遺伝カウンセリングを含めたケアを行いえた(Ono, Nagashima et al., 2024)。今後はcase seriesとしての成果発表が望まれる。④以上の経験を踏まえ、WHO2022年分類に基づいた腎癌病理に関する書籍を編集した[大江、長嶋(編)腫瘍病理鑑別アトラス 腎癌 第2版, 2023]。また分子生物学的検索に過度に依存することなく、主に形態学的手法によって、腎腫瘍の診断を行うアルゴリズムの確立を行っている(第54回腎癌研究会発表予定)。
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