研究課題/領域番号 |
21K06921
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
加藤 哲子 弘前大学, 大学院保健学研究科, 教授 (40312730)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ゲノムインプリンティング / 卵巣奇形腫 |
研究開始時の研究の概要 |
卵巣には、神経、皮膚、骨などさまざまな組織を含む奇形腫が発生する。卵巣奇形腫は未受精卵から生じ卵由来のゲノムだけをもつため、ゲノムインプリンティング(=片親性のゲノム発現)は理論的に母性である。卵巣奇形腫には成熟奇形腫(良性)と未熟奇形腫(悪性)があるが、前者のゲノムインプリンティングは母性パターンである。そこで本研究では、未熟奇形腫において母性パターンから逸脱したゲノムインプリンティング異常がないかを明らかにする。
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研究実績の概要 |
卵巣成熟奇形腫3例、卵巣未熟奇形腫1例、卵黄嚢腫瘍5例について、以下の検討を行った。 1.それぞれの手術材料(ホルマリン固定パラフィン包埋材料)から腫瘍部、非腫瘍部のDNAを抽出した。未熟奇形腫では未熟成分、成熟成分、および顕微鏡的な卵黄嚢腫瘍成分を分けてDNAを抽出した。奇形腫では4例中4例で量的及び質的に解析可能なDNAが得られたが、卵黄嚢腫瘍では5例のうち1例は解析に不適と判断された。 2. 卵巣の成熟奇形腫3例、未熟奇形腫1例および卵黄嚢腫瘍4例についてMS-MLPA(methylation-sensitive multiplex ligation-dependent probe amprification)解析を行なった。未熟奇形腫では、未熟成分、成熟成分および顕微鏡的な卵黄嚢腫瘍成分を分けて解析した。成熟奇形腫におけるインプリント遺伝子のDNAメチル化状態はmaternal imprintingのパターンであったが、卵黄嚢腫瘍ではランダムなパターンであった。一方で、未熟奇形腫に伴う顕微鏡的な卵黄嚢腫瘍成分は、未熟成分、成熟成分と同様、maternal imprintingのパターンであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
卵巣の成熟奇形腫、未熟奇形腫、卵黄嚢腫瘍におけるゲノムインプリンティングを比較検討し、それぞれのパターンを知ることができた。卵黄嚢腫瘍では、純型か奇形腫合併かでゲノムインプリンティングが異なる可能性も示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
症例数をさらに増やし、播種・転移の病巣も加えてMS-MLPA解析を進める。
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