研究課題/領域番号 |
21K06932
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49020:人体病理学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
本間 尚子 東邦大学, 医学部, 准教授 (70321875)
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研究分担者 |
林 孝典 藤田医科大学, 医学部, 講師 (40724315)
三上 哲夫 東邦大学, 医学部, 教授 (90286352)
下野 洋平 藤田医科大学, 医学部, 教授 (90594630)
深澤 由里 東邦大学, 医学部, 講師 (90392331)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 結腸癌 / エストロゲン / 高齢者 / 右側 / エストロゲン受容体β / ESR2 CA repeat多型 / ミスマッチ修復タンパク質 / 閉経後女性 / 右側癌 / エストロゲン濃度 / 大腸癌 / 患者腫瘍組織移植モデル |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌の病態におけるエストロゲンの役割は、患者背景・腫瘍背景により大きく異なり、多様で複雑と考えられるが、従来の実験系が示す結果は、そのような多様性・複雑性を説明しうるものではなかった。本研究では、近年着目されている第3のestrogen receptor (ER)、G protein-coupled estrogen receptor (GPER)の大腸癌での役割にも着目して、患者腫瘍組織移植モデル(patient-derived xenografts: PDX)、病理組織検体を最大限に活用し、大腸癌病態メカニズムにおけるエストロゲン作用の多様性を明らかにする。
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研究実績の概要 |
大腸癌の病態におけるエストロゲンの役割は、抑制的とする説が優勢だが逆の説も根強く存在する。我々は、「エストロゲンの大腸癌における役割は、患者背景・腫瘍背景により異なる」との仮説のもと、閉経後女性結腸癌手術で得られた病理組織検体につき、患者年齢、腫瘍占拠部位、組織型、ミスマッチ修復タンパク質(MMR)発現状況などを考慮し、エストロゲン関連諸因子の状況を癌部・非癌部で比較する研究を行ってきた。その結果、高齢女性(70歳以上)右側癌、髄様/粘液癌、MMR欠損癌では、癌部でのエストロゲン濃度は非癌部より高く、エストロゲン受容体β発現も非癌部に比し減弱せず、その他の群とは、エストロ ゲン状況的に大きく異なることがわかった。また、エストロゲン受容体βの代表的遺伝子多型かつマイクロサテライトである、ESR2 CA repeat 多型に着目し、高齢女性右側癌では、癌部・非癌部とも repeat鎖が短く、癌部・非癌部とも鎖が長いその他の群とは異なることを示した。さらに、ESR2 CA repeat鎖が、非癌部でのエストロゲン受容体β発現を規定する可能性があることも示した。高齢女性右側癌はその他の癌とはエストロゲンとの関連性が異なることが示唆されたが、その背景にある分子機構の解明を目指し、閉経後女性患者由来結腸癌組織片(patient derived xenograft, PDX)の作製および実験を行っている。エストロゲンへの反応性の違いが特に期待される、「70歳未満左側癌」および「70歳以上右側癌」を対象とし、複数のPDXを樹立し、さらに症例を集積中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の予定より、患者背景・腫瘍背景が確実にわかっているPDX数が限られていることがわかり、新たに作製を行っている。PDX樹立にかかる時間が症例によっては半年近くと長く、また、悪性リンパ腫など結腸癌以外の腫瘍ができてしまうこともあり、想定よりも時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
PDX樹立を着実に進める。それと並行して、樹立した細胞株については3次元培養を行い、エストロゲンの影響を観察する。
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