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芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍:多様性から稀少腫瘍の病態を紐解く

研究課題

研究課題/領域番号 21K06936
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分49020:人体病理学関連
研究機関公益財団法人がん研究会

研究代表者

坂本 佳奈  公益財団法人がん研究会, がん研究所 分子標的病理プロジェクト, 研究員 (50778008)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
キーワード芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍
研究開始時の研究の概要

芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)は、予後が不良で稀な造血器腫瘍である。申請者らは国内多施設との協力体制を構築し、BPDCNが、がん遺伝子MYCの異常の有無により層別化されることを突き止めた。しかし、BPDCNの分子病態については未だ十分に明らかにされていない。また、集積した多数例の詳細な病理学的検討により、BPDCNの多様性も示唆されている。本研究では、これらの知見をもとに、多角的な視点からBPDCNの病態を解明することを目指す。

研究実績の概要

今年度は研究中断していたため、基本的に新たな実績は得られていない。しかし、中断前に得られていた成果を論文化し投稿していたものが、今年度雑誌掲載された。芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)の免疫染色を用いた新たな診断法について報告したものである。
BPDCNは、形質細胞様樹状細胞の前駆細胞を正常対応細胞とする稀な造血器悪性腫瘍である。これまで、BPDCNの診断基準は完全には確立されてこなかった。そのため不十分な根拠に基づいて診断が行われている現状がある。今回、既存の代表的な4つの診断基準を、BPDCNとその類似疾患よりなる我々のコホート(284例)に適用して診断結果をシミュレートした。その結果判明した診断における問題点を考慮し、それを克服するため、TCF4、CD123、TCL1、lysozymeの4マーカーからなるBPDCNの新しい診断基準を考案し、提唱した。また、BPDCNでは見られない細胞像や浸潤パターンで、鑑別診断である急性骨髄性白血病や骨髄肉腫を示唆する組織像、細胞像についても明らかにした。さらに、BPDCNを正しく診断することの臨床的意義として、CD123陽性の急性骨髄性白血病・骨髄肉腫患者はBPDCN患者よりも有意に予後が悪いこと、古典的なBPDCNのマーカーであるCD4、CD56、CD123がすべて陽性であっても、12%の症例はBPDCNでないことを明らかにした。すなわち、CD4、CD56、CD123以外の特異的なマーカーなしにBPDCNと診断することの危険性を指摘した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度は研究中断していたため。

今後の研究の推進方策

令和6年度途中より研究再開予定である。中断前に進めていた各種解析を再開し、引き続き計画に沿って遂行していく。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2023 2022 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 症例報告 CD56陰性円形細胞からなるimmunoblastoid芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍の1例2023

    • 著者名/発表者名
      小林 由季、江上 将平、舩越 建、伏間江 貴之、中村 善雄、水野 洸太、加藤 淳、江本 桂、大喜多 肇、坂本 佳奈、竹内 賢吾
    • 雑誌名

      臨床皮膚科

      巻: 77 号: 3 ページ: 251-257

    • DOI

      10.11477/mf.1412206920

    • ISSN
      0021-4973, 1882-1324
    • 年月日
      2023-03-01
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Comparison and Development of Immunohistochemical Diagnostic Criteria for Blastic Plasmacytoid Dendritic Cell Neoplasm2023

    • 著者名/発表者名
      Sakamoto Kana、Baba Satoko、Okumura Yuka、Momose Shuji、Ono Sawako、Tonooka Akiko、Ichinohasama Ryo、Takakuwa Emi、Nakasone Hideki、Ohshima Koichi、Takeuchi Kengo
    • 雑誌名

      Modern Pathology

      巻: 36 号: 10 ページ: 100253-100253

    • DOI

      10.1016/j.modpat.2023.100253

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍の皮膚病変に対して放射線療法が有効であった1例2022

    • 著者名/発表者名
      影治 里穂、飛田 泰斗史、原 朋子、山下 理子、坂本 佳奈、竹内 賢吾
    • 雑誌名

      日本臨床皮膚科医会雑誌

      巻: 39 号: 4 ページ: 562-566

    • DOI

      10.3812/jocd.39.562

    • ISSN
      1349-7758, 1882-272X
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 初発時皮膚病変を認めなかったMYC陽性芽球様形質細胞様樹状細胞腫瘍の一例2022

    • 著者名/発表者名
      本宮 奈津子、小堺 貴司、桃井 明仁、永井 孝一、酒井 剛、坂本 佳奈、竹内賢吾
    • 学会等名
      第84回日本血液学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [図書] リンパ組織 (非腫瘍性疾患病理アトラス)「形質細胞様樹状細胞」2023

    • 著者名/発表者名
      坂本佳奈
    • 総ページ数
      292
    • 出版者
      文光堂
    • ISBN
      9784830604911
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [備考] 日本BPDCN研究会

    • URL

      https://bpdcn.jp/

    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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