研究課題/領域番号 |
21K06945
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
倉田 盛人 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (40451926)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 薬剤耐性 / CRISPR screening / 細胞間相互作用 / 微小環境 / がん / 白血病 / 骨髄 |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞は支持細胞と微小環境を形成し、微小環境における細胞間相互作用が抗癌剤の治療抵抗性を誘導することが知られている。そこで、本研究では癌の治療抵抗性を克服する為に、細胞間相互作用を対象とした治療ターゲット分子を網羅的に検索することとする。具体的には、CRISPR libraryを用いて支持細胞へランダムな変異を誘導し、薬剤投与下での腫瘍細胞との共培養により、腫瘍細胞に薬剤耐性を誘導できる疑似微小環境を作成する。疑似微小環境内にて薬剤耐性誘導が可能である支持細胞のみを分離・責任ガイドRNAを同定し、治療ターゲットとなる候補遺伝子の同定や新規薬剤耐性メカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
幹細胞と間質支持細胞の相互作用により薬剤耐性が誘導されることが知られている。今回新たな実験系である「間接的CRISPR screening」を確立した。間質支持細胞にCRISPR libraryと紫外線照射にて緑色から赤色へ光変換するDendra2を導入し、抗癌剤下で腫瘍細胞株と共培養した。スクリーニングにより39遺伝子を同定しし、候補遺伝子の中で、C9orf89, MAGI2, MLPH, RHBDD2欠損支持細胞で薬剤耐性を誘導することが確認された。今回確立した間接的CRISPR screeningは細胞間相互作用機序の解明や新薬開発の新たなプラットフォームになり得る。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来は、薬剤曝露などの条件下でランダム変異を誘発するCRISPRライブラリーを用いて腫瘍細胞の選択的な生存/死滅を検出することにより、薬剤耐性候補遺伝子が同定されてきました。しかし、「がん微小環境」などの周辺環境からの細胞間相互作用による薬剤耐性の場合、細胞間相互作用による薬剤耐性の責任候補遺伝子の同定は困難でありました。これは、周囲の支持細胞にランダムな変異が誘導されても、支持細胞自身は薬剤下で選択的に生存/死滅することがないためです。そこで、我々は薬剤耐性を誘導できる支持細胞を分離するシステムを併用し、「間接的CRISPR screening」と名付けました。
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