研究課題/領域番号 |
21K06948
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柿崎 文彦 京都大学, 医学研究科, 助教 (00609076)
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研究分担者 |
武藤 誠 公益財団法人田附興風会, 医学研究所, 所長 (70281714)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん幹細胞 / TRIO / 予後不良 / 大腸がん / がん転移 / 転移 / マウスモデル |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らはこれまでにNOTCH-DAB1-ABL-TRIOシグナル伝達経路が大腸がんの転移を促進することを示したが、患者由来大腸がん幹細胞ではABL非依存的DAB1Δex7-8 が発現されていることに加え、複数のTRIO(Y2681)リン酸化酵素の候補を見出している。当該経路へのクロストークを確認し、確度の高い治療戦術を確立する。 更に本研究では予後不良TRIO(pY2681)陽性患者のがん幹細胞における遺伝子変異・遺伝子発現・表現型 (マウスへの移植実験)を調べ、それらの情報を用いて統計解析・機能解析・実験動物の阻害薬投与実験を行うことで、がん幹細胞の転移の特性を遺伝学的・薬理学的に調べる。
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研究成果の概要 |
TRIO(pY2681)陽性予後不良大腸がん患者由来のがん幹細胞株を用いた転移機構の解析とTRIOシグナル伝達へのクロストーク機構の探索を行った。これらの解析により、予後不良大腸がん患者由来のがん幹細胞の代表的な遺伝子発現プロファイルと、患者生存に関わるマーカー遺伝子群が得られると共に、肝転移を抑制する4つの転移機能マーカーの候補が同定された。この転移機能マーカーはタンパク修飾酵素ではないため、TRIOシグナル伝達に直接影響する可能性は低く、これらを標的として転移阻害薬を見出すことは難しかった。今後は代替案で同定した転移阻害薬の解析を進めたい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果は学術的に十分には解明されていない大腸がん転移機序の一部を、患者由来がん幹細胞を用いて明らかにするだけでなく、治療方針を決めるバイオマーカーや転移阻害薬の候補を同定している点において臨床医学的に重要性が高い。このように転移機構を明らかにしていくことで、再発リスクの高いがん患者に対する個別化補助化学療法等への応用に繋がることが期待される。
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