研究課題/領域番号 |
21K06969
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高原 和彦 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (90301233)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 微生物糖鎖 / C. albicans / 敗血症 / 免疫抑制 / レクチン / IL-10 / 合成糖鎖 / サイトカインストーム / Candida albicans / 糖鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
日和見病原体Candida albicansの表面糖鎖を敗血症誘導マウスに投与したところ、免疫を抑えるタンパク質 IL-10の産生が昂進し、死亡率が改善した。これまでの研究で、複雑な当該糖鎖の中でIL-10産生に必要な部分/構造、並びに個体側のレセプターの同定を行った。本計画ではこれらの結果を基にIL-10産生を昂進する糖鎖を合成し、致死的サイトカインストームを抑制できるか検討する。学術的には、複雑な糖鎖の中から特定の機能を有する構造を取りだし再構築することで生物活性が再現できるか検討する。最終的にC. albicansの免疫抑制機構の解明と、それを基礎にした免疫抑制性糖鎖を開発する。
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研究成果の概要 |
敗血症や感染症で起きる過剰な炎症は死に繋がるが、その有効な治療法は存在しない。本研究では、病原体が持つ免疫抑制作用の炎症制御への応用を目標としている。先に、日和見感染菌Candida albicansの細胞壁糖鎖がマウス敗血症モデルで、免疫抑制性サイトカインIL-10を誘導し生存率を改善する事を見出した。しかし、当該糖鎖の構造は複雑で、合成が困難であった。そこで、糖鎖中の活性構造を同定し合成可能な範囲まで絞り込んだ。これにより、当該糖鎖の医薬品としての応用に大きく近づいた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
世界では年間に数千万人が急性の炎症性疾患に罹患する。死亡率は高く、例えば敗血症では4割を超える。COVID-19における主たる死亡原因も肺および全身性炎症によるサイトカインストームの結果である。しかし、有効な薬剤は存在しない。 一方で、病原体と宿主は互いに牽制しつつ進化してきた。この長い歴史の中で、病原体は宿主免疫の回避・抑制を図り感染を続けてきた。その結果として病原体には宿主の中で有効な免疫回避・抑制機構が選択されて残っていると思われる。よって、病原体の免疫抑制機構を同定すれば、宿主の人為的な免疫制御に応用できる可能性が高いと考え本計画を立案した。
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