研究課題/領域番号 |
21K06977
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49030:実験病理学関連
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
保坂 直樹 関西医科大学, 医学部, 研究員 (30388459)
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研究分担者 |
神田 晃 関西医科大学, 医学部, 教授 (70375244)
神田 靖士 関西医科大学, 医学部, 准教授 (70295799)
下埜 敬紀 関西医科大学, 医学部, 講師 (40632625)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 胸腺 / γδT細胞 / 再生 |
研究開始時の研究の概要 |
最近iPS細胞からin vitroにて胸腺微小環境を構築し、造血幹細胞との共培養の下γδT細胞の誘導に成功した(特許出願中)。これらのT細胞は基本的に腫瘍化の危険性は低い。誘導されたγδT細胞の悪性腫瘍への効果について調べ、特にPD-1との関係を明らかにする。またγδT細胞はMHC非依存性に抗原を認識する為、MHC不一致宿主における腫瘍においても効果を調べる。さらにCD4とCD8T細胞の誘導も目指す。現在iPS細胞の用途として分化した細胞をin vivoに移植する方法や、in vitroで病因解明や創薬を開発する2つの方法があるが、支持細胞に分化させ非iPS細胞から目的とする細胞を得る本法は、第3の方法になる可能性がある。
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研究実績の概要 |
本研究課題ではin vitroにてマウス人工性多能性幹細胞(induced pluripotent stem cells, iPSC)から胸腺上皮細胞(thymic epithelial cells, TEC)を誘導し、胸腺微小環境を構築の下、非iPS細胞由来の造血幹細胞(hematopoietic stem cells: HSC)との共培養によりγδT細胞の誘導を試みるものである。これらの γδT細胞は腫瘍化への危険が低く、治療への応用が期待できる。本課題では特に抗腫瘍効果について調べる。 方法として、まずiPSCに適宜Activin A, Fibroblast growth factor(FGF)7, FGF8, FGF10, bone morphogenetic protein (BMP) 4を加え、内中胚葉及び胚体内胚葉を経由してTECを誘導させる。次に骨髄細胞(bone marrow cells:BMC)における単核球からlineage marker陽性細胞をmagnetic beads法にて除去し、HSCとして 精製する(HSC-eBMC)。これらのTECとHSC-eBMCをサイトカインの存在下に相互作用させると、γδT細胞が誘導された。副作用を調べる為に自家骨髄移植したマウスに投与したが、明らかな自己免疫疾患や腫瘍の発生は見られず長期に生存した。また担白血病腫瘍マウスに投与すると、腫瘍の抑制とともに延命効果が得られた(J Cell Mol Med. 25: 10604, 2021)。次にin vitroにて、PD-L1発現腫瘍細胞への抗腫瘍効果を調べた。誘導γδT細胞との共培養にて、PD-1抗体投与郡と非投与群とを比較した所、前者ではγδT細胞の割合が増え、かつ腫瘍細胞の割合が減る傾向にあった。 またこれらの実験で使用するiPSCを肝細胞由来のものに変えても、同様のγδT細胞の誘導が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
マウスの飼育がコロナ禍にて制限され、実験の予定が遅れてしまう事があった。
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今後の研究の推進方策 |
誘導γδT細胞の抗腫瘍効果の機構を、培養条件等を変更してさらに調べる。
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