研究課題/領域番号 |
21K06992
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 長崎大学 (2022-2023) 佐賀大学 (2021) |
研究代表者 |
見市 文香 (三田村文香) 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (70576818)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | コレステロール硫酸 / シスト形成 / 超長鎖ジヒドロセラミド / 球形化 / シスト壁の形成 / 赤痢アメーバ / 含硫脂質 |
研究開始時の研究の概要 |
赤痢アメーバは、シストの形態で次の宿主へと感染伝播する。赤痢アメーバが最終代謝産物としてコレステロール硫酸(CS)を合成すること、CSがシスト形成制御に必須分子であることを見出している(Mi-ichi et al, PNAS, 2015)。近年、CSがシスト形成において、「細胞の球形化⇒細胞膜の透過性の低下」を誘導することを見出した(見市、未発表)。細胞膜の透過性低下は、シストが外界で乾燥に耐えるために不可欠であり寄生適応戦略の1つと考えられる。 本研究ではCS添加によって誘導される“細胞の球形化”・“細胞膜の透過性低下”に必須な分子種の同定を行い、その代謝経路とその制御機構の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
赤痢アメーバはヒトの大腸に寄生し、アメーバ赤痢を引き起こす寄生原虫である。生活環は栄養型期とシスト期の2つに大別され、感染はシストの経口摂取による。シスト形成は原虫の伝播・生存に関わる重要な生物機構であるが、その制御機構は未解明なままである。現在我々は、シスト形成制御機構の全容解明を目指して、研究を進めている。 我々は、赤痢アメーバが合成する含硫脂質の1つコレステロール硫酸(CS)が栄養体からシストへの形態変化“シスト形成”制御に必須な分子であることを報告している(Mi-ichi et al, PNAS, 2015)。しかしながら、詳細な分子機構は不明であった。 これまでに、シスト形成におけるCSの機能が、細胞の球形化および超長鎖ジヒドロセラミドの合成誘導による膜透過性低下形成であることを見出し、原著論文として報告していた(Mi-ichi et al, mSphere, 2022)。CSによる超長鎖ジヒドロセラミド合成誘導の制御機構の解明を目指して解析を行なった結果、我々は、超長鎖アシル基を含む脂質種の合成が、栄養体期とシスト期で大きく異なること、栄養体期には超長鎖を含むリン脂質(ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール)の合成が、シスト期には超長鎖ジヒドロセラミドが合成されていることを見出した。超長鎖アシル鎖の合成にかかわる遺伝子の発現は栄養体とシスト期でほとんど変動が無いことから、超長鎖アシル基を持つ脂質種の合成の切り替えは、アシル基の導入酵素での制御が中心であると考えている(Mi-ichi et al. mSphere, 2023、Mi-ichi et al, 投稿中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
コレステロール硫酸(CS)によって合成が誘導される超長鎖ジヒドロセラミドの合成に着目、超長鎖アシル基の合成について詳細な解析を行なった。その結果、超長鎖アシル基を含む脂質種はセラミドだけではなくリン脂質にも検出されること、超長鎖アシル基を含むリン脂質(ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール)は栄養体期に合成されることを見出し、その合成経路の解析を行ない、原著論文として報告(Mi-ichi et al. mSphere, 2023)および投稿中である。また昨年度、報告した論文(Mi-ichi et al, mSphere, 2022)を基にCSのシスト形成における機能についての総説を発表することも出来ており(Mi-ichi et al, Parasitol Int, in press)、当初の計画以上に進捗していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
現在投稿中の原著論文を発表することに加え、コレステロール硫酸の合成を阻害する化合物の探索をすすめており、そちらも論文投稿する。
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