研究課題/領域番号 |
21K06998
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49040:寄生虫学関連
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
森田 健太郎 産業医科大学, 医学部, 講師 (30533690)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 寄生虫 / 免疫修飾 / 関節炎 / Mesocestoides vogae / Th17 / 好酸球 / 骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC) / Th2 / MDSC / 自己免疫疾患 / 蠕虫 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子組換えマウスを利用した感染実験を通じて、ネズミ中殖条虫(Mv)によるコラーゲン関節炎(CIA)の抑制機構をTh2サイトカインの関与を中心に解明する。Mvの分泌排泄物(ES)のCIA抑制作用、およびin vitroにおける免疫修飾作用を解明する。また好酸球、骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)やM2マクロファージの関与の可能性について解析する。
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研究実績の概要 |
Th17型の自己免疫疾患モデルであるマウスコラーゲン関節炎(CIA)に対するネズミ中殖条虫*(Mesocestoides vogae;Mv)による免疫抑制機構に関して継続して解析を行った。 好酸球の関与を検討するために昨年度に開始したIL-5欠損マウス(IL-5KO)を用いたCIAの実験を今年度も引き続き行った。昨年度は、Mv感染後、IL-5KO群が実験中に大幅に死亡するという予期せぬ事態に直面した。その原因は不明であるが、飼育室をよりクリーンな環境に変更することで対処した。 その結果、今年度は昨年度に比べて実験を安定して実施することができ、IL-5KO群ではCIAに対するMvによる免疫抑制作用が減弱するという結果が得られた。また、脾臓細胞を用いたフローサイトメトリーの解析から、脾臓組織中の全細胞数(赤血球を除く)がMv感染により1.5~2倍に増大し、B細胞やT細胞の数はコントロール群と同じ構成比率を維持したまま増えることがわかった。一方、好酸球およびCD11b+Ly6G-Ly6Chighの細胞がMv感染群でコントロール群に比べて増大することが複数の検討で再現された。これらの結果から、CIAに対するMvによる免疫抑制機構において、好酸球および、骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)と推測されるCD11b+Ly6G-Ly6Chighの細胞が重要であると考えられる。 (*2023/12/18、日本寄生虫学会用語委員会により「ボーグ中殖条虫」として和名が正式に決定された。)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年の初めにマウスの繁殖ケージの数を増やすために飼育室を移動させた。ところが、移動先の飼育室において緑膿菌が検出された。これが原因かどうかは不明であるが、2022年の後半ぐらいから、CIAの評価中にMv感染群で通常よりも異常に多い数の死亡が確認され始めた。これに対処するために、再び、飼育室を変更することとなり、その影響により遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、CIAに対するMvによる免疫抑制機構において、好酸球および、骨髄由来免疫抑制細胞(MDSC)と推測されるCD11b+Ly6G-Ly6Chighの細胞が重要であることが示唆されたので、今後は、好酸球および、CD11b+Ly6G-Ly6Chighの細胞の免疫抑制機能を検討する。そのために、Mv感染マウスからセルソーターを用いて先の細胞を分離回収し、ex vivoでT細胞の増殖アッセイを用いて免疫抑制機能を評価する。そして、免疫抑制作用が確認できた場合は養子移入実験によりin vivoでのCIA抑制効果を検討する。
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