研究課題/領域番号 |
21K07001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
高橋 弘喜 千葉大学, 真菌医学研究センター, 准教授 (60548460)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 病原真菌 / アスペルギルスフミガタス / 薬剤耐性 / ゲノム / 集団構造 / ゲノム解析 / Aspergillus fumigatus / 系統解析 / 次世代シーケンサー |
研究開始時の研究の概要 |
環境中に普遍的に存在する糸状菌アスペルギルスフミガタスは、肺アスペルギルス症の主要な原因菌である。治療中にアゾール系抗真菌薬に対する耐性株が出現すると極めて難治となる。薬剤耐性となった菌株の系統的な特徴や臨床分離株のゲノム的特徴について明らかにできれば、新たな治療戦略を確立する上で重要な知見となる。本研究では、臨床分離株と環境分離株の大規模な(>150株)ゲノム解析を実施し、薬剤耐性が出現する系統、および病原性を規定する系統という2つの高リスク系統の同定とそれらに関連する因子の探索を目的とする。
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研究成果の概要 |
環境中に普遍的に存在する真菌アスペルギルスフミガタスは、重篤な肺アスペルギルス症の原因菌である。近年、我が国を含む先進国を中心に肺アスペルギルス症が増加傾向にあり、主に治療に使用されているアゾール系抗真菌薬に対する耐性株も出現していることから、その治療戦略の確立が急務となっている。しかしながら、薬剤耐性株の分離頻度やその遺伝的背景の関連については明らかとなっていない。本研究では、日本で分離されたアスペルギルスフミガタス171株を収集し、それらの薬剤感受性とゲノム配列を明らかにして、世界で分離された菌株との統合解析によって、日本で分離された株のゲノム的特徴を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アスペルギルスフミガタスの薬剤耐性化に寄与する遺伝子座を同定した。このことにより、感染菌の系統を評価することで、薬剤耐性化が起こり得るかの予測にも繋げることが可能となる。さらに診断に応用されれば、治療中に薬剤耐性化のリスク評価が可能となり、治療方針の先鋭化につながるなど、医療への応用が期待される。一方で、真菌はペニシリンに代表される創薬資源として重要であるため、本研究で産生されたゲノムデータの利活用により、新規有用物質の発見が期待される。
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