研究課題/領域番号 |
21K07011
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
岡田 信彦 北里大学, 薬学部, 教授 (80194364)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ポリアミン / サルモネラ / マウス感染モデル / 病原因子 / 病原性 / 感染性 / 遺伝子発現 / 細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
サルモネラは我が国における主要な食中毒の原因菌であり、本感染症に対する新たな制御法の開発が必要とされている。一方、ポリアミンは2つ以上のアミノ基をもつ低分子の炭化水素であり、細菌の遺伝子発現レベルに影響を及ぼす。そこで、本研究ではポリアミンによるサルモネラ下痢症の新たな制御法の開発を目的とし、その可能性を探るため、サルモネラ感染におけるポリアミンの役割の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
ポリアミンは、病原細菌の病原性発現に寄与することが知られている。しかし、細菌感染におけるポリアミンの役割については、in vivoに基づいたエビデンスが乏しく、どの程度、感染性に影響を及ぼすかは不明な点が多かった。そこで、本研究ではマウス感染モデルを用いて、腸管系病原細菌サルモネラの病原性発現におけるポリアミンの役割の解明を試みた。その結果、サルモネラにおけるポリアミン恒常性はその病原性発現に必要であることが明らかになった。宿主よりサルモネラに取り込まれたポリアミンは病原因子の機能発現に必要であった。本研究により、細菌感染におけるポリアミンの新たな役割が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
病原細菌サルモネラの病原性発現に関わるポリアミン恒常性は宿主からの取り込みに依存しており、エフロルニチン(ジフルオロメチルオルニチン)による宿主ポリアミンの阻害はサルモネラの感染性を抑制した。エフロルニチンはアフリカ睡眠病の治療薬として用いられている承認された薬剤であることから、本研究結果はその適応をサルモネラ感染に拡大する可能性を示唆した。さらに、ポリアミンよる病原因子の制御機構が明らかにすることは、ポリアミンおよびそれに関連した分子をターゲットとした新たな抗菌薬(抗感染症薬)の開発における分子基盤になると期待される。
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