研究課題/領域番号 |
21K07012
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
谷川 和也 帝京大学, 薬学部, 講師 (10443110)
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研究分担者 |
鈴木 幸一 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (20206478)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ハンセン病 / らい菌 / 脂質 / ミコール酸 / マクロファージ / 細胞壁脂質 / mycolic acid / triacylglycerol |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、TAGの律速酵素であるGPAT3の発現誘導を介して、らい菌感染細胞のファゴゾーム内に脂肪滴(TAG)蓄積が促されることを明らかにしてきたが、どのように利用されているかは不明である。らい菌の細胞壁脂質の主成分であるミコール酸は様々な状態で細胞壁に発現し、その構成は菌の状態によってダイナミックに変容して宿主への免疫応答に影響を及ぼすことが知られている。我々は、予備データから、TAGがミコール酸の基質になり得ることが想定している。そこで、宿主感染後のらい菌のミコール酸構造の同定および、らい菌の細胞内生存におけるミコール酸の影響の評価の2点について重点的に検討を行う。
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研究成果の概要 |
らい菌の生存には、宿主細胞に蓄積されるtriacylglycerol (TAG)が重要であるが、菌がどのように利用するかについては不明である。本研究では、TAGがらい菌の細胞壁脂質ミコール酸に利用される可能性について研究を行なった。らい菌が感染したTHP-1細胞にはTAGの代謝物である脂肪酸が増加し、次いでミコール酸が検出されたが、ミコール酸合成阻害薬により消失した。BODIPY標識したTAGを含む細胞に感染したらい菌は、菌体に一致してBODIPYの蛍光が観察された。これらの結果から、らい菌は感染細胞内のTAGの代謝活性を有し、その代謝物を利用して菌のミコール酸を合成すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本申請課題によって、らい菌の細胞内寄生や生存に必須である宿主細胞内脂質について、その利用経路の1つが明らかになった。今後は、ミコール酸合成の阻害薬であるイソニアジドや宿主由来脂質の蓄積を防ぐような脂質代謝改善薬がハンセン病の新たな治療戦略として応用できると考えられる。現在のハンセン病治療薬は薬価が高いため、既に市場にある薬で応用できれば、貧困な国に多いハンセン病の治療薬として社会的意義がある。
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