研究課題/領域番号 |
21K07014
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
河村 好章 愛知学院大学, 薬学部, 教授 (80262757)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | CRISPR / マイクロ進化 / 時系列 / 院内感染 / 疫学解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまでの院内感染菌の疫学解析に時系列的なマイクロ進化を加味した、新しい疫学解析法の手法を確立するものである。 これまでの疫学解析法は、病院などで分離された菌株を異なるクローンに分けることは出来ているが、各クローンがどのような経路や順番をたどり院内で拡散されていったかを詳細に調べることが出来ていなかった。 本研究では、時系列的なマイクロ進化を加味した新しい疫学解析法を開発し、①すでに有用性が確認できているCRISPR遺伝子配列による解析法の検証を行い、さらに②時系列に対して正の相関を示す遺伝子を見出し、詳細に疫学を解析できる方法論を確立する、ことを目的とする。
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研究実績の概要 |
Helicobacter cinaediの分離株、約100株を入手済みである。昨年ほぼすべての菌株のドラフトゲノム配列を決定したが、その半数は、ターゲットと考えているCRISPR配列が断片化しているなどして、解析に利用できない事が判明した。今年度は、およそ50株についてCRISPR領域のPCRを行い、配列決定を行った。CRISPRのスペーサーの挿入パターンから、100株は、8つのクローンに分けられることが判った。このクローン解析は、16S rRNA塩基配列に基づく系統解析に類似していたが、より詳細であることが判った。 分離元の病院から受領した、分離年月、病棟番号、等の情報に照らして、現在分離株の時系列を確認しており、それらとクローン解析の結果を合わせて、進化系統が反映されるのか検証したい。 なお、昨年に続き、本研究を推進する過程で、ヒトから分離されるHelicobacter属菌種で、既存の菌種に当てはまらない株があることが明らかとなり、Helicobacter higonensisとの名称をつけ、分類学的に正式に発表することができた(論文受理は2023年度であったが、雑誌公表は2024年度にずれ込んでいる)。昨年同様、本研究のため、遺伝子を詳細に解析する事に拠り、新菌種の発見に繋げることができたと考えている。本成果について、ヨーロッパ微生物学会(FEMS)にて発表し、世界的に周知を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年末にようやく臨床データを得る事が出来た。時系列に菌株を並べ、CRISPR初め、他の遺伝子での解析をようやく始められる状況となった為。
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今後の研究の推進方策 |
まずは入手済みのHelicobacter cinaediの100株を使った時系列解析を行っていきたい。他の菌種菌株についても、解析を始められるように準備を行いたい。
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