研究課題/領域番号 |
21K07023
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
野澤 孝志 京都大学, 医学研究科, 准教授 (10598858)
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研究分担者 |
相川 知宏 京都大学, 医学研究科, 助教 (70725499)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | A群レンサ球菌 / NAD-glycohydrolase / Streptolysin O / ゴルジ体 / Rab GTPase |
研究開始時の研究の概要 |
A群レンサ球菌は、ヒトに咽頭炎や化膿性皮膚感染症、劇症型溶血性レンサ球菌感染症を引き起こすグラム陽性細菌で、感染部位によって多彩な臨床症状を引き起こします。近年世界的に流行しているA群レンサ球菌株は、宿主細胞に高頻度で侵入し、外毒素SLOとNgaを高発現することで感染拡大を果たしていると予測されていますが、その分子機構は明らかになっていません。本研究課題では、Ngaの標的宿主因子を探索し、宿主制御の分子メカニズムを明らかにすることで、Ngaの新規機能を同定し、A群レンサ球菌による新規の病原性発揮機構を解明することを目標としています。
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研究実績の概要 |
最終年度では、感染細胞のプロテオーム解析を行い、A群レンサ球菌のNga毒素により変動するタンパク質の探索を行った。その結果、ゴルジ体の形態維持に関わる2つのタンパク質が、Ngaによって感染時に減少していることが示唆された。減少したタンパク質を一過的に過剰発現させた細胞では、A群レンサ球菌感染によるゴルジ体の断片化が抑制された。このことから、Ngaによる宿主タンパク質の減少がゴルジ体断片化の一因であることが示された。 また、感染細胞の顕微鏡観察から、Nga依存的にストレス顆粒の形成が誘導されていることを発見した。ストレス顆粒形成誘導に重要とされるeIF2のリン酸化を解析した結果、Ngaの活性依存的にリン酸化が誘導され、このリン酸化は二つのeIF2キナーゼによることが示唆された。つまり、A群レンサ球菌感染時には統合的ストレス応答が誘導され、ストレス顆粒が形成されていることが示された。eIF2のリン酸化及びストレス顆粒形成は大規模な遺伝子の翻訳アレストにつながることから、ゴルジ体断片化につながるタンパク質の減少との関連性について今後解析を進める予定である。 さらに、Ngaの阻害化合物のスクリーニングにも着手し、NgaのNAD分解活性を抑制する低分子化合物5種を取得した。これらの化合物を処理した細胞に菌を感染させ、ゴルジ体断片化を調べた結果、2つの化合物で濃度依存的にゴルジ体断片化の抑制効果が認められた。 研究期間全体を通して、A群レンサ球菌のNga毒素が引き起こすゴルジ体断片化とそれによる細胞内輸送経路の破綻のメカニズムについて解析を行い、Ngaの宿主標的を同定した。また、宿主のストレス応答との関連性についても見出すことができ、今後の新たな展開に繋がる。
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