研究課題/領域番号 |
21K07025
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
島本 整 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 教授 (90187443)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | レトロン / msDNA / コレラ菌 / 病原性 / バイオフィルム / Vibrio cholerae / Vibrio mimicus / ビブリオ属 / ビブリオ属細菌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,ビブリオ属細菌のレトロンによる病原性関連遺伝子発現制御のメカニズムを明らかにすることを目的としている。そのために,2つのアプローチを行う。1つは,msDNAによる遺伝子発現制御が行われているかどうかを検証することである。すなわち,msDNAがデコイDNAまたはDNAアプタマーとして機能するかどうかを検証する。2つ目は,レトロンに含まれる他の機能未知のORFと病原性発現制御との関係を調べることである。例えば,コレラ菌のレトロンの場合,ret遺伝子下流のorf540にコードされているタンパク質(ORF540)は,これまでの解析結果より二成分制御系のArcABとの関係が示唆されている。
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研究成果の概要 |
Vibrio choleraeのレトロン-Vc95より産生される機能未知のORF540は、嫌気条件での遺伝子発現調節に関与する二成分制御系のsensor kinaseであるArcBとの相互作用が示唆されており、本研究でArcB→ArcA→HapR→バイオフィルム形成の発現調節経路を明らかにした。また、hapR遺伝子には、コレラの原因となる血清型O1とO139の株が保有するhapR2とそれ以外のV. choleraeが保有するhapR1の二つのタイプが存在していることを明らかにした。そして、この知見に基づき血清型O1とO139の株のみを選択的に検出することが可能なPCR法を新たに開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりVibrio choleraeの病原因子の一つであるバイオフィルムの形成に関する発現調節機構について新たな経路を明らかにすることができた。これによってコレラの感染・発症を防ぐための新たな標的が明らかになった。本研究によって得られた成果は、病原性発現ネットワークの新たな分子メカニズムを解明する可能性を持っている。さらに、コレラの原因となるO1とO139株を食品中から選択的に検出する方法を確立することができたことから、コレラ流行地域から輸入される食品(魚介類など)の安全性を事前に確認することができる。
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