研究課題/領域番号 |
21K07030
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49050:細菌学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
三木 剛志 北里大学, 薬学部, 講師 (40398582)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 脂肪酸 / サルモネラ / 腸管内定着 / 鞭毛運動 / フラジェリン / 脂肪酸代謝 / 第二鞭毛 / 転写因子 / 腸炎 / 細菌 / 遺伝子発現 / 病原性 |
研究開始時の研究の概要 |
現代の欧米化した食事により動物性タンパク質や脂質の摂取量が増加したが、この食の変化は腸管病原菌による感染リスクを高めてしまうことが知られている。そこで、本研究では病原菌モデルとして腸管病原菌のサルモネラを用い、脂肪酸が本菌の病原性発現に及ぼす影響を解明する。本研究により、病原菌感染における脂肪酸の役割が明らかになり、これをターゲットとした新たな感染制御法の開発に役立つと期待される。
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研究成果の概要 |
欧米化した食(脂質の増加および食物繊維の減少)は腸管病原菌による感染リスクを高める。そこで、細菌感染における食事の影響の解明を目指し、本研究では脂質に富む食事、特に脂肪酸が腸管病原菌サルモネラの感染性に及ぼす影響を解明した。まず、本菌の脂肪酸代謝活性は腸管内定着に必要であった。また、外界から取り込まれた脂肪酸は第2相鞭毛遺伝子を活性化し、その結果、サルモネラの運動の質が変化した。すなわち、直線的な運動が促され、これが腸管内定着が活性化した。本研究成果は、サルモネラの腸感染における脂肪酸の役割の解明のみならず、腸管内の脂肪酸制御が本菌の新たな予防・治療ターゲットとなる可能性を示したことである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、腸管内脂肪酸に着目し、腸管病原菌サルモネラの病原性発現に関わる新たな腸管内定着メカニズムを明らかにした。脂質に富む食事は、常在する腸内細菌に対する影響のみならず、病原菌に対しても直接的に働き、感染性に影響することが明らかになった。また、本研究において、マウスを用いたin vivo実験の成果はヒトでの影響を考えた時に大変有用な情報であり、予防・治療法開発に直結するものである。また、本研究で着目した脂肪酸の新たな役割の発見は、欧米化した現代の食と腸管病原菌感染の理解を促し、予防・治療ターゲットとなる可能性を示し、今後の解析や開発に大きく期待させるものである。
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