研究課題/領域番号 |
21K07038
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
山吉 誠也 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 研究所, 部長 (50529534)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | インフルエンザ / HA蛋白質 / モノクローナル抗体 / インフルエンザウイルス / ヒトモノクローナル抗体 / 交叉反応性抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
現行のインフルエンザワクチンでは流行株とワクチン株の抗原性が一致せず、ワクチンの有効性が著しく低下することがある。この問題を解決するため、抗原性変化が起こりにくい領域、つまり“異なる亜型のHA蛋白質の間で保存された領域”を免疫抗原として用いる次世代型インフルエンザワクチンの研究が世界的に進められている。本研究では、全ての亜型のA型インフルエンザウイルスのHA蛋白質を認識するヒトモノクローナル抗体が、HA蛋白質のHead領域とStem領域の境界部を認識し、感染防御活性を持つことを示し、この領域が新規抗原性保存領域であることを証明する。
|
研究成果の概要 |
A型インフルエンザウイルスの全ての亜型のHA蛋白質を認識するヒトモノクローナル抗体4F02に関して、各種感染阻害活性を測定するととともに、エピトープの解析を行いました。4F02は、H3N2ウイルスに対して中和活性、赤血球凝集阻害活性、HA蛋白質の膜融合活性をそれぞれ阻害するのみでなく、Fc受容体を介した免疫細胞の活性化を引き起こしました。また、4F02は、H1N1pdm09、H3N2、H5N1およびH7N9ウイルスによる致死的な感染に対して防御効果を示しました。エスケープ変異ウイルスの解析やクライオ電子顕微鏡解析により、4F02がHA蛋白質のヘッド基部を認識していることが明らかになりました。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
全ての亜型のA型インフルエンザウイルスのHA蛋白質を認識するヒトモノクローナル抗体である4F02のエピトープを同定したことにより、HA蛋白質に存在する亜型間で高度に保存されたエピトープを明らかにすることが出来ました。このような保存性の高いエピトープに対する抗体を効率的に誘導するワクチンをデザインすることが出来れば、一つの亜型のインフルエンザウイルスのみならず、様々な亜型のインフルエンザウイルスに対して有効なユニバーサルインフルエンザワクチンとなる可能性があります。
|