研究課題/領域番号 |
21K07055
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
岸本 直樹 熊本大学, 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター, 助教 (80756148)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | HIV / 宿主因子 / 代謝 / 糖代謝リプログラミング / 解糖系 / 酸化的リン酸化 / 潜伏感染 / 免疫 / 感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
HIV感染症の治癒を妨げている最大の要因は、HIVリザーバー細胞が排除できていないことである。したがって、HIVリザーバー細胞がどのように成立し、どのように維持され、どのように再活性化され消失するのか、というHIVリザーバー細胞の動態を、実際の生体内での細胞状態を考慮しながら明らかとする必要がある。本研究では、HIVの感染標的となる免疫細胞は活性化状態などに応じ代謝が多様化していることに着目し、「免疫細胞の代謝状態に応じたHIV複製制御機構の解明およびHIVリザーバー細胞の動態の解明」を目指す。
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研究成果の概要 |
HIVが感染標的とする免疫細胞は、多様な代謝状態を示す。したがって、免疫細胞の代謝シフトに伴って機能が変化する因子を追跡し、その因子がHIV複製に与える影響を検討することでHIV感染症の治癒を妨げる原因であるHIVリザーバー細胞の動態解明が期待できる。本研究では、代謝状態の異なる細胞を用いてHIV感染伝播、複製調節機構について検討を進め翻訳後修飾を介した新たなHIV複製調節因子を同定した。本研究は、免疫細胞の活性化に必要な代謝変動をHIVがハイジャックしていることを見出し、HIV感染伝播を左右する生体内因子として解糖系関連因子が存在することを明らかとしたものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在までのHIV研究の多くは、HIV複製効率を検証しやすくするために、高いウイルス産生能を有する細胞や高いHIV感受性を示す細胞、つまりHIVが複製しやすい環境に馴化された代謝シフトが完了した細胞」利用しており、HIV感染時に生体内で実際に起こる生理的に重要な免疫細胞の代謝シフトは十分には考慮されていない。一方本研究は、免疫代謝をウイルスがハイジャックした一端を捉えたものである。したがって、生体内での免疫細胞の代謝変動とともにHIV感染伝播の研究を進めることが新たな抗HIV治療戦略の構築に繋がることを示唆する。
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