研究課題/領域番号 |
21K07058
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49060:ウイルス学関連
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
畠山 大 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (20514821)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | インフルエンザウイルス / NP / PA / 新型コロナウイルス / Nタンパク質 / アセチル化修飾 / インタラクトーム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
本申請は、アセチル化されたインフルエンザウイルスNPと相互作用する宿主側因子を同定して、NPアセチル化の生物学的意義の解明を目指す。我々は、インフルエンザウイルスNPが宿主細胞内においてアセチル化され、ウイルスのRNA合成酵素の活性に影響を及ぼすことを報告した。それにより、アセチル化NPと特異的に結合する宿主側因子が存在するのではないかと考えられた。そこで本研究では、アセチル化NPと相互作用する宿主側因子を網羅的に同定することで、NPアセチル化の生物学的意義を解明する。本研究成果により、新たに同定した相互作用因子を標的とする、新規な抗インフルエンザ薬の開発・発見のシーズになることが期待される。
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研究成果の概要 |
申請者らは,ウイルス増殖過程においてNPが宿主のヒストンアセチル化酵素GCN5とPCAFにより,アセチル化されることを報告している.そこで本研究では,アセチル化NPと相互作用するタンパク質に焦点を当ててNPアセチル化の生物学的意義の解明を目指す研究を行った.また,インフルエンザウイルスPAに対するアセチル化修飾がPAエンドヌクレアーゼ活性を賦活化させることを発見し,宿主側の酵素反応がウイルスの増殖率も調節し得ることを報告した.さらに,新型コロナウイルスのNタンパク質も試験管内においてアセチル化修飾されることを見出し,報告した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々はタミフルなどウイルスタンパク質を標的とする薬で対抗している。しかし、ウイルスタンパク質を標的とする以上、薬剤耐性ウイルスの出現は避けられない。我々は、インフルエンザウイルスタンパク質のNPやPA,および新型コロナウイルスのNタンパク質が宿主細胞の酵素でアセチル化され、機能調節を受けることを発見した。これらのアセチル化を阻害する化合物は、新しい抗インフルエンザ薬として期待できることから,「ウイルス側因子」ではなく「宿主側因子」へのアプローチという新しいストラテジーをもつ新規抗インフルエンザ薬の開発を目指している。本研究成果は新型コロナウイルスに対抗する薬の開発にも繋がると期待している.
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