研究課題/領域番号 |
21K07064
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
岡崎 朋彦 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 准教授 (50724598)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | I型インターフェロン / アポトーシス / 翻訳後修飾 / ウイルス / インターフェロン |
研究開始時の研究の概要 |
ウイルス感染の初期応答として、細胞は抗ウイルス活性のあるインターフェロンを産生したり、アポトーシスを誘導したりすることでウイルスの排除を行う。これまでの研究により、この二つの応答が感染細胞によってうまく使い分けられていることが明らかとなってきた。しかしながら、この二つの応答の使い分けの仕組みは未だ不明な点が多く残されている。 IPS-1はウイルスRNAに結合する細胞内受容体(RIG-I又はMDA5)の下流で活性化し、IFN発現あるいは細胞死を誘導することが知られている。申請者は、IPS-1の翻訳後修飾が二つの応答の使い分けの鍵となる可能性を見出したので、その可能性について更に検討を行う。
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研究実績の概要 |
ウイルス感染に対して、細胞は主に2つの初期防御応答をする。ひとつはⅠ型IFNを発現して分泌し、自身とその周囲の細胞にウイルス増殖が阻害される抗ウイルス状態を確立するという応答、もうひとつは細胞死を起こしてウイルスの増殖・伝搬を阻害する、という応答である。この2つの応答は状況によって宿主のダメージを起こすため、状況に応じた使い分けが個体生存に必須である。これまでに申請者は、ASKファミリーキナーゼがウイルス感染に対するⅠ型IFN 産生と細胞死誘導応答の選別に関わることを報告した(Okazaki et al., Science Signaling, 2015)。つまり、ASK1 homodimerはIFN発現を、ASK1-ASK2 heterodimerは細胞死を誘導することを見出したのである。しかし、これらのキナーゼがいかにして抗ウイルス応答の選別に関わるかは不明であった。そこで申請者は、抗ウイルス応答におけるASKのリン酸化基質を探索し、IPS-1が基質となることを見出した。IPS-1は、細胞内ウイルスRNAを認識する受容体(RIG-I, MDA5)の下流で誘導されるIFN及び細胞死に必須の役割を果たす分子である。本研究では、リン酸化によってIPS-1の機能がいかなる制御を受けるか調べた。その結果、IPS-1のリン酸化がIPS-1の機能促進に働く可能性を見出した。現在、リン酸化がIPS-1の機能を促進するメカニズムが明らかになりつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
IPS-1のリン酸化サイトの同定に成功し、その機能解析を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
作製した新たなモデルマウスを用いて仮説の検証を進める。
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