研究課題/領域番号 |
21K07070
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
仲宗根 秀樹 自治医科大学, 医学部, 教授 (50757903)
|
研究分担者 |
神田 善伸 自治医科大学, 医学部, 教授 (30334379)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | 性別不一致 / マイナー抗原 / 同種免疫 / 臨床アウトカム / 性別不一致移植 / 同種抗原特異的B細胞 / キメリズム / 移植片対宿主病 |
研究開始時の研究の概要 |
性別不一致造血細胞移植(特に女性ドナー・男性患者の場合)は、慢性移植片対宿主病(慢性GVHD)の危険因子とされている。申請者は6種類の抗Y染色体抗原抗体(HY抗体)に着目し、慢性GVHD発症および重症度に相関することを報告した。しかし、多様化する移植治療の中で抗HY免疫応答の獲得や制御のメカニズムは不明である。本研究では、実患者検体を用いて、 (a) HY抗原特異的B細胞同定システムの開発、(b)微量免疫細胞の異性間キメリズム解析法の樹立、(c)HY抗原特異的B細胞のレパトア動態解析を目的とする。同種移植後に獲得されたHY抗原特異的免疫の動態解析を行うことでリスク層別化による先制治療へつなげる。
|
研究実績の概要 |
#1 Y染色体上抗原(HY抗原)の中から、UTY、SMCY、DBY、SRYを選択し、それぞれのX染色体上のcounterpartと比較し、相違部を同定し、20-30アミノ酸配列による同種免疫標的抗原ペプチドを同定。これらペプチドに蛍光色素を修飾したものをカスタム合成した。現在、性別不一致移植検体を用いて、HY抗原ペプチド反応B細胞の検出が可能かについて検討し、現在も症例を蓄積している。 #2 同様に、各HLAと、HY抗原ペプチドとの結合親和性予測を行い、HLA-A02におけるUTY、SMCYのペプチドを標的としたテトラマーを作製し、性別不一致移植検体を用いて、HY抗原ペプチド反応T細胞の検出可能かについて検討し、現在も症例を蓄積している。 #3 性別不一致造血細胞移植において、抗胸腺グロブリン抗体(ATG)の使用により、女性ドナー・男性レシピエントの予後への悪影響を克服することができるかを、多数例の症例で検証した。急性・慢性移植片対宿主病の発症頻度は男性ドナー・男性レシピエントではATGによる恩恵があるものの、女性ドナー・男性レシピエントではATGの有無でも発症率は変わりないことが判明した。一方、非再発死亡、生存は性別不一致の有無にかかわらずATG使用により改善傾向にあった。ただし、女性ドナー・男性レシピエントで発症頻度はATGで変わらなくても、重症度が低下することで生存をよくする機序が考えられた。 上記に関して現在論文投稿中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
性別不一致に関する同種免疫に関する知見を臨床・トランスレーショナル研究として蓄積してきているため
|
今後の研究の推進方策 |
HY抗原反応性のB細胞、T細胞の検出について、引き続き同種移植後の実患者検体を用いて実施し、症例を蓄積して検証を行う。 また、同時に性別不一致移植における臨床情報の解析について積極的に発信する。
|