研究課題/領域番号 |
21K07078
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
森田 大輔 京都大学, 医生物学研究所, 助教 (40706173)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | MHCクラス1 / HLA / リポペプチド / ミリスチン酸修飾 / エイズ / 自己免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
ウイルス蛋白質へのN末端ミリスチン酸(C14脂肪酸)修飾反応は、その蛋白質の機能、及びウイルスの病原性に深く関わっている。サルエイズモデルを活用した詳細な免疫解析から、このミリスチン酸修飾を受けたウイルスペプチド、すなわち「リポペプチド」がMHCクラス1分子によってキラーT細胞へと提示される新しい獲得免疫応答の存在が明らかとなった。本研究では、1) ヒトにおけるリポペプチド免疫応答の解析基盤を確立し、2) リポペプチド免疫と自己免疫応答との因果関係を探索する。
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研究成果の概要 |
研究代表者はウイルス由来のリポペプチドをT細胞へと提示する新しいタイプのMHCクラス1分子LP1を同定し、その構造と機能を明らかにしてきた。一方、リポペプチド免疫は抗原特異性が曖昧であり自己と非自己の識別が理論上困難であるため、ウイルス感染に伴うヒト自己免疫の増悪に関与する可能性を想起した。そこで、既存のLP1分子の情報をもとにヒトLP1候補として日本人集団における最頻度アリルであるHLA-A*2402とHLA-C*1402を同定し、そのX線結晶構造解明した。さらに、リポペプチド免疫を再構築した独自のマウスラインの樹立を完了し、現在、ウイルス感染と自己免疫との関連性について検証を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
病原体抗原と自己抗原の間に構造類似性がある時、両者の間に免疫学的な交差反応が起こり、自己反応性が生じ得る。従来、この概念は蛋白やペプチド抗原に対する免疫の枠組みの中で理解されてきたが、リポペプチド抗原を特異的に認識するT細胞は、自己と非自己の識別が本質的に困難であることから、自己免疫病態の発露に関わっている可能性が高い。本研究が成就すれば、自己免疫の新概念が生み出され(学術的意義)、リポペプチドを標的とした新しい治療法・予防法・診断法の開発に繋がる(社会的意義)。
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