研究課題/領域番号 |
21K07086
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
水田 龍信 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (50297628)
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研究分担者 |
北村 大介 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (70204914)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | DNase γ / DNase1L3 / DNase 1 / 相分離 / cfDNA / 抗腫瘍効果 / クロマチン / Histone H1 / DNase1 / ヘテロクロマチン |
研究開始時の研究の概要 |
DNase γはDNase1ファミリーに属するDNA分解酵素で、血流中に存在している。漏出したクロマチンはまずDNase γで大きく切断され、次にDNase1で細かく裁断されるが、その時間的・空間的使い分けのメカニズムは不明であった。最近、クロマチンの高次構造も、その構成タンパク質であるHistone H1の相分離によって維持されていることが分かってきた。そこで、DNase γはDNase1に比べ、相分離クロマチンへの親和性が高く、これがDNase γとDNase1の使い分けに反映されているという仮説を立てた。本研究では、この仮説の検証と、各DNaseの生体内での役割の全容解明を目指す。
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研究成果の概要 |
DNase γ(別名DNase1L3)はDNase 1ファミリーに属するDNA分解酵素で、DNase 1とともに血流中に存在する。漏出したクロマチンはまずDNase γで大きく切断され、cell-free DNA(cfDNA)として血流中に放出される。その後、DNase 1で細かく裁断されるが、その時間的・空間的使い分けのメカニズムは不明であった。我々は相分離クロマチンへの親和性の差が、その使い分けの差を生み出していること、またcfDNAの生成には一部DNase 1の関与もあることを見出した。さらにDNase γには抗腫瘍活性があることを遺伝子欠損マウスの実験で明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究は20年にわたるDNase γを中心とした死細胞DNAの分解研究の集大成であるとともに、DNA分解と相分離の関連を見出した事により、新たな展開の道を開いた。より普遍的には、生命現象の根本に相分離を位置づけ、個別の事象を統一的に捉えなおすきっかけになることが期待される。またDNase γの抗腫瘍活性の発見は新規治療戦略の創出という点で、臨床的に意義がある。
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