研究課題/領域番号 |
21K07107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
鴨下 渚 早稲田大学, 理工学術院, 研究助手 (30835814)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 発がん制御 / 超早期がん / 細胞死 / 形質膜リガンド / 細胞競合 / がん変異細胞 / MHC-I / 抗原提示認識 / 正常-変異細胞間シグナル |
研究開始時の研究の概要 |
上皮細胞は非免疫細胞であるにも関わらず、隣接するがん変異細胞の古典的MHC-Iaを認識し、がん変異細胞を排除する。すなわち、上皮細胞には免疫細胞様の機能があることが分かってきた。受容体として機能未知のAltR(suboptimal Alteration Recognizing proteinと命名)が、がん変異細胞のMHC-Iaを認識し、骨格形成因子の集積を促進することで、排除能を惹起する。一方で、このシグナルに対する抑制機構は分かっていない。最近申請者は、非古典的MHC-Ibが排除に対して抑制的に働くという知見を得ている。本研究では、非古典的MHC-Ibによる変異細胞排除の抑制機構の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
上皮細胞層に発現するMHC-Ibを刺激することで、リバースシグナルにより細胞死を誘導することがわかってきた。この機構の解明に必須であるMHC-Ibのリガンド候補分子を同定し、MHC-Ibを介した細胞死誘導機構について解析した。同定したリガンドとMHC-Iの最小結合部位のペプチドは、in vitroで細胞死を誘導した。加えて、同ペプチドによって刺激されたMHC-Ibは、MAPK経路を活性化していた。これにより、Caspase3の活性化を介したApoptosisであることがわかってきた。さらに、同ペプチドをマウスin vivoでの発がん実験に適用したところ、発がんを抑制する結果を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、がん変異細胞の排除を抑制する機構を解明した。このMHC-Ibによる抑制機構を解除することで、MHC-Ia/AltRによる変異細胞の排除シグナルをより効率的に促進でき、予防するための治療法確立に繋がる。本研究で解明される抑制機構を解除することは、まさにこのがん変異細胞の排除を促進するために有効な手段である。そのため、予防的にがん変異細胞を排除する医療の確立に大きく貢献する。
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