研究課題/領域番号 |
21K07134
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 星薬科大学 |
研究代表者 |
清水 孝恒 星薬科大学, 薬学部, 准教授 (40407101)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 骨肉腫 / 腫瘍免疫 / がん微小環境 / 転移巣 / 血管新生 |
研究開始時の研究の概要 |
骨肉腫は未だ予後不良であり、治療標的分子は解明されておらず、既存の免疫療法も大きな奏功を示さない。このため、難治例に対する新規治療法開発が求められる。本研究は、独自のマウスモデルと評価系を用いて、骨肉腫の腫瘍免疫誘導制御に関わる分子機構の解明を目的とする。これまで骨肉腫細胞にsgRNA libraryを導入したのち、B6野生型とSCIDマウスに移植し、腫瘍内残存sgRNAをNGS解析により比較した。発現差のある候補遺伝子の中から腫瘍形成能に関わるヒット分子を同定したのち、分子機構を解明し、骨肉腫に対する新規免疫療法の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
骨肉腫には免疫療法が奏功せず、その分子機構解明が難治症例克服に必要である。これまで独自の骨肉腫モデルとCRISPR-dCas9を用いたdropout screeningにより、骨肉腫が免疫回避するのに重要となる候補分子を抽出した。候補分子の発現を修飾した骨肉腫細胞を樹立し、C57BL/6野生型とSCIDマウスに移植し、野生型で特異的に腫瘍形成能が抑制される分子の絞り込みを行った。その結果、p53関連分子とアクチン結合タンパクは腫瘍免疫を阻害する可能性が示唆された。一方で、それら分子の発現低下によっても依然、原発巣や転移巣は形成され、今後は、腫瘍免疫側の疲弊に関係する分子機構の解明が課題である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
骨肉腫は免疫療法が奏効せず、その分子機構解明は、難治症例に対する有効な治療法開発に繋がる。本研究を通じて、腫瘍免疫回避に関わる骨肉腫側の分子(p53関連分子とアクチン結合タンパク)が明らかとなった。これらの分子は高発現により、腫瘍内のT細胞の減少と疲弊をもたらす可能性がある。さらなる検証を要するが、これらの結果は骨肉腫への効果的な腫瘍免疫療法確立に貢献すると考えられる。また、研究から派生し、変異型p53の骨肉腫病態における役割と転写制御に関する分子機構が解明された。さらに、nintedanibが新たな治療手段として使用できる可能性が示され、骨肉腫の新規治療法開発に貢献する可能性がある。
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