研究課題/領域番号 |
21K07139
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
平岡 伸介 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 科長 (40276217)
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研究分担者 |
石川 義典 (猪野義典) 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 主任研究員 (90291137)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 膵がん / がん微小環境 / 末梢神経 / 免疫微小環境 / 神経 / 腫瘍免疫 / 神経系 |
研究開始時の研究の概要 |
がん間質の免疫微小環境はがんの生物学と密接な関係にある。免疫微小環境はがん細胞と免疫系のみならず、神経系、血管系等の多様な要因が制御に関わり、各系統間の関係性の把握がその理解につながる。最近、われわれは膵がん組織内では神経密度低下が生じ、それが予後不良因子になることを示した。本研究では神経系の役割を中心に膵がん免疫微小環境形成・制御の理解を深めるため、神経密度低下を呈する膵がんとそうでない膵がん組織を比較検討する。本研究により、がん微小環境形成の一端に迫れると共に、がん免疫活性化手段の一助となってがん免疫療法に役立つことが期待される。
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研究実績の概要 |
がん間質の免疫微小環境はがんの生物学と密接な関係にある。免疫微小環境はがん細胞と免疫系のみならず、神経系、血管系等の多様な要因が制御に関わり、各系統間の関係性の把握が免疫微小環境のより深い理解につながる。既に膵がん組織内では神経密度低下が生じ、それが予後不良因子になることを示した。本研究では神経系の役割を中心に膵がん免疫微小環境形成・制御の理解を目指して、特に形態学的観察に基づく病理学的視点からアプローチする。 本年度は膵がん組織における交感神経・副交感神経、感覚神経密度の臨床病理学的意義について検討した。がん微小環境における交感神経および副交感神経の臨床病理学的意義はがん種類により大きく異なることが報告されている。膵がん組織においても交感神経および副交感神経と患者予後との関係は報告により大きく異なっている。本研究においては健常膵組織や慢性膵炎組織をコントロールとして膵がん組織における各末梢神経を免疫組織化学により同定し、画像ソフトを補助的に活用してより客観的に神経密度を測定したところ、膵がんでは有意差をもって患者予後との関連性が認められた。既に膵がん組織の網羅的遺伝子発現解析により得られている、神経と免疫系の関係性について、本年度得られた末梢神経の種類と臨床病理学的因子との関係性の情報を統合して、今後膵がん組織における末梢神経種類毎の神経密度と免疫微小環境との関係を検討し、膵がん免疫微小環境の理解を深めることを目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は膵がん組織における末梢神経種類毎に患者予後との関係を含む臨床病理学的意義について詳細に検討する目的で、膵がん組織における交感神経、副交感神経、感覚神経密度について臨床病理学的に検討した。その結果、神経の種類によりがん組織の神経密度が患者予後因子となり、また臨床病理学的因子との有意な関係性の存在することが明らかとなった。がん微小環境における交感神経および副交感神経の臨床病理学的意義はがん種類により大きく異なることが報告されており、本研究では膵がん多数症例を用いた検討であり、当学術分野において意義ある検討となっている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は膵がん組織における末梢神経種類毎の臨床病理学的意義について検討を進めた。現在、膵がん組織における末梢神経種類毎の神経密度と免疫微小環境との関係について検討し、仮説を得つつある。今後はその仮説を発展的に検討していく予定である。
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