研究課題/領域番号 |
21K07160
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 大阪医科薬科大学 |
研究代表者 |
森脇 一将 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (00467656)
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研究分担者 |
朝日 通雄 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (10397614)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 癌微小環境 / O-GlcNAc修飾 / 癌転移 / 癌 |
研究開始時の研究の概要 |
O-GlcNAc修飾は、血糖であるグルコースの代謝物が細胞内の様々なタンパク質に付加される反応であり、多くの癌で亢進して癌の悪化に働いている。本研究では、癌細胞を取り巻く生体環境(癌微小環境)におけるO-GlcNAc修飾の機能を明らかにする。癌微小環境は癌の進展に強く影響している。我々は、最近「癌微小環境におけるO-GlcNAc修飾の亢進が癌の増殖と転移を促進する」ことを見出しており、本研究では、その分子機能の解明を目指す。「癌細胞と癌微小環境間の相互作用を、O-GlcNAc修飾が制御する分子機構」への理解を深めることで、O-GlcNAc修飾を標的とした新規癌治療の開発への礎を築く。
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研究実績の概要 |
O-GlcNAc修飾は、癌細胞内において亢進して癌細胞の特性形成に働き、癌細胞の増殖や転移など癌のあらゆる進展過程に働くが、癌微小環境における機能については知見に乏しい。本研究では、癌微小環境におけるO-GlcNAc修飾の亢進が癌の進展に及ぼす影響を観察するため、全身でO-GlcNAc修飾が亢進するOgtトランスジェニック(Ogt-Tg)マウス、および、野生型マウスに、同系マウス由来の癌細胞株を同所移植して、癌細胞の増殖や転移を比較解析している。今までの研究から、膵癌細胞株Panc02、および、悪性黒色腫細胞株B16-BL6を用いた両モデルにおいて、野生型マウスと比較して、Ogt-Tgマウスでは遠隔転移が亢進することが分かった。本結果は、癌微小環境におけるO-GlcNAc修飾の亢進が、癌の転移に対して促進的に働いていることを強く示すものである。そこで、癌微小環境の主要組成である癌関連線維芽細胞に着目し、膵癌細胞Panc02の高転移株との共培養系を用いて、野生型線維芽細胞とOgt-Tg線維芽細胞間の遺伝子発現の差異を網羅的に解析することによって、Ogt-Tgマウスにおいて癌転移の促進に働く候補分子を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、人事異動に伴って十分な研究時間を確保できなかった。そのため、研究期間を延長している。
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今後の研究の推進方策 |
癌微小環境におけるO-GlcNAc修飾の亢進により、膵癌細胞の転移が促進される分子機序の解明に取り組む。上述した網羅的遺伝子発現解析により得られた候補分子リストから、転移を促進する因子の絞り込みを実施していく。
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