研究課題/領域番号 |
21K07162
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
高畑 りさ 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, その他, 講師 (70813814)
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研究分担者 |
守本 祐司 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 生理学, 教授 (10449069)
宮崎 裕美 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 防衛医学研究センター 外傷研究部門, 助教 (30531636)
辻本 広紀 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 医療安全・感染対策部, 教授 (80554998)
上野 秀樹 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 外科学, 教授 (90597535)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 光温熱治療 / ドラックデリバリーシステム |
研究開始時の研究の概要 |
胃癌の特徴的な進展・転移形式としての腹膜播種に対する有効な診断法と治療法は確立されていない。申請者らはこれまでに、新規開発したドラッグデリバリーシステム型インドシアニングリーン(ICGm)を用いた光学的診断・治療により、腹膜播種巣の革新的な診断・治療技術を開発してきた。そこで本研究では、治療技術の効率を向上させるべく、近赤外光を吸収したICGmによる温熱作用に着目して、正常組織に全く影響を及ぼさずに、腹腔鏡下に腫瘍組織のみに抗腫瘍効果を発揮するという新規治療システムの開発を行う。
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研究実績の概要 |
胃癌の特徴的な進展・転移形式としての腹膜播種に対する有効な診断法と治療法は確立されていない。申請者らはこれまでに、新規開発したドラッグデリバリー システム型インドシアニングリーン(ICGm)を用いた光学的診断・治療により、腹膜播種巣の革新的な診断・治療技術を開発してきた。そこで本研究では、治療技術の効率を向上させるべく、近赤外光を吸収したICGmによる温熱作用に着目して、正常組織に全く影響を及ぼさずに、腹腔鏡下に腫瘍組織のみに抗腫瘍効果を発揮するという新規治療システムの開発を行う。 本研究の目的は、ICGmを用いた蛍光イメージング・近赤外光温熱により腹膜播種の鏡視下診断・治療システムを確立することである。 腹膜播種の治療では、従来の化学療法に加え腹腔内化学療法や腹膜減量手術、腹腔内温熱化学療法等あるが、いずれも治療効果や手技の特殊性、合併症の多さから満足のいくものではない。本研究は、腹膜播種という散在する表在性の結節性病変に対して、正常な細胞にダメージを与えることなく播種病変のみに治療効果を与えるという点で独創性が高い。腹膜播種を発見した場合、通常であればそのまま閉創するが、近赤外光を腹膜播種病変や転移したリンパ節に照射し治療につなげることが期待できる。 現在、胃癌腹膜播種モデルラット(発光モデル)を用いた腫瘍イメージング実験を実施している。免疫不全ラット(ヌードラット:F344/NJcl-rnu/rnu)を用いてLuciferase活性を有する胃癌細胞株(MKN45-Nano-lantern)を腹腔内投与することによって腹膜播種病変が発光するモデルラットを確立した。生体イメージング装置を用いて、発光イメージとICGm蛍光イメージとの腫瘍位置における相関性を観ることによって、腹膜播種病変を効果的に検出できるICGm投与量等の最適化を図っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染の拡大により、患者対応、大規模接種センタ-等への派遣業務が発生し、当初予定の実験の遂行が出来なかった。 新型コロナウイルス感染症の取り扱いが2類から5類に変更されたことにより、今後は遅れた実験・検討が出来るよう鋭意努力をしていく
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今後の研究の推進方策 |
腹腔鏡下イメージングと光温熱治療の最適化:発光モデルラットの腹膜腫瘍を発光イメージングで同定したのち、ICGmを投与して、蛍光腹腔鏡により腫瘍の蛍光イメージングを行う。その後、外径1 mmの光照射用プローブ(開発済み)を3 mmトロッカーより挿入し、腹膜播種巣への光温熱を行う。その際、腹腔鏡用サーモグラフィ(開発済み)を用いて腫瘍表面温度を光温熱中にリアルタイムに測定し、抗腫瘍効果のある温度(43度以上)を保つように近赤外レーザーを制御し、抗腫瘍効果を最大化させる至適条件を見いだす。 モデルの作成は終了していることより臨床応用に向けて、ICGmを静脈投与した際のアレルギー反応や、主要臓器に対する臓器障害の検討をおこなう。ICGmは肝内網内系細胞にも取り込まれることが知られているため、光温熱に用いる近赤外線レーザーが肝組織に暴露された場合の肝障害の程度や、光温熱による周囲臓器への有害事象の検討も行う。
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